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【茨城】

東日本大震災8年 冊子で生むつながり 水戸の市民グループ、福島の避難者の「今」伝える

完成した冊子「いってみっか」を手にする大里さん(左)と北沢さん=水戸市の茨城大で

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 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から間もなく8年。県内に避難する人たちを支援する水戸市の市民グループ「ふうあいねっと」が、福島から茨城に避難し事業を始めるなどした人たちの今をまとめた冊子「いってみっか」を作った。避難者らのさまざまな思いが詰まった冊子のキーワードは「つながり」だ。3日には、笠間市で震災8年の特別イベントを開く。 (鈴木学)

 冊子に掲載されているのは、原発事故で福島県浪江町や富岡町などから避難してきた十三組だ。

 浪江町出身の男性は日立市でハウスクリーニング業を再開。「常に地元を身近に感じながら生活していた。それを断ち切って事業を再開しようとは考えられなかった」と思いを語った。

 ひたちなか市でエステサロンを開いた浪江町出身の女性は「美容の仕事に戻った時、メイクをして綺麗(きれい)になると、前向きになり、外に出たくなるんだなと改めて感じました」と話した。

 冊子は、福島県人同士のつながれる場の紹介や、茨城県民との新たな出会いが狙い。発行する「ふうあいおたより」を通じて知り合った人や復興支援員の紹介を基に取材、店名や連絡先とともに掲載した。

 取材に当たった事務局の大里千恵子さん(32)が印象深かったのは、今も癒えない痛みだったという。「茨城町で栗農家を始めた夫妻は、福島で飼っていた牛のことを思い出し『かわいそうだったな』と。すべてを乗り越えられてはいないと感じた」

 土浦市で書道教室を始めた男性の話を聞いた北沢安芸さん(49)は「皆さん、今いる地域になじもうとしている姿が印象的だった」と振り返る。

 掲載した人から早速、「出会いがあった」とうれしい知らせも届いた。取材に参加した茨城、筑波両大の学生から「当時中学生で、あまり考えなかった福島のことを考える機会になった」との感想もあり、うれしかったという。

 B5判、三十一ページで二千五百部作成。「おたより」登録者らに送ったほか、希望者に配布する。

 笠間市の地域交流センターともべで三日に開かれる震災八年の特別イベントには講師に、午前が福島県在住の写真家飛田晋秀さん、午後が前福島県双葉郡身体障害者福祉会会長の半谷克弘さんが招かれている。

 定員各六十人。午前十時から午後四時まで。参加無料。問い合わせは、ふうあいねっと=電029(233)1370=へ。

 

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