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【茨城】

オオキンケイギク 生態系保全へ「ぜんぶ抜く」

特定外来生物に指定されているオオキンケイギク(国営ひたち海浜公園提供)

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◆笠間の市民団体 駆除10年目で成果

 地域固有の生態系を破壊する危険性が高い特定外来生物のオオキンケイギクを除去するイベントが県内各地で開かれる。二十五日に予定されている笠間市では、市民団体による取り組みが始まってから十年目で、成果も見えはじめている。「オオキンケイギクぜんぶ抜く」。そんな意気込みで、参加者は地域の生物多様性を守ろうと汗をかく。 (越田普之)

 オオキンケイギクは北米原産で、五月から七月にかけて黄色い花を付ける。高さ三十〜七十センチほどに成長し、高い生命力や繁殖力が特徴だ。かつて緑化目的で高速道路ののり面に植えられたほか、観賞用としても流通し、全国へ拡散した。現在では河川敷や道路脇などに群落を形成し、在来植物を脅かす。

 国は二〇〇六年、オオキンケイギクを特定外来生物に指定し、栽培や保管、運搬などを禁止した。ただ、県生物多様性センターによると、生育地はすでに県内全域に広がり、対応に苦慮している。

 「オオキンケイギクは増える途上。抑え込むには今しかない」。そう話すのは、笠間市の市民団体「かさま環境を考える会」会長の吉武和治郎さん(76)だ。

 市内は、常磐道と北関東道に加え、交通量の多い国道50号があり、オオキンケイギクの種が拡散したり定着したりしやすい条件がそろう。そこで、自然観察会などを企画してきた会は一〇年から毎年、除去に取り組んできた。

活動の成果が表れている友部二小隣接地の写真を示す吉武さん=笠間市で

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 二年目の一一年からは市が入り、一般に禁じられている運搬や処理などを担っている。その後も続々と企業ボランティアが協力。昨年は十六団体の百四十二人が参加し、四十五リットル袋で百九十二袋分を抜き取った。

 例年、この時期は花が開き、他の植物との識別が容易な上、種が実っておらず、防除の面で最適なのだという。土壌に与える影響を考慮して薬剤は使用せず、一本ずつ根から引き抜いている。

 地道な活動が実を結んだ一例が、市立友部二小の隣接地だ。一一年には五十五袋ものオオキンケイギクを抜き取っていたが、一六年には三袋まで減った。

 吉武さんは「十年やれば相当減らせると考えてやってきた。根絶とはいかないまでも、やった分だけ効果があった。市民の理解も進んでいると思うので、各自治会などでも取り組んでもらえたら」と期待した。

 ◇ 

「かさま環境を考える会」などによる昨年のオオキンケイギク除去活動(吉武さん提供)

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 オオキンケイギクを含む特定外来生物を除去するイベントは、七月下旬にかけて県内九市村で開かれる予定。当日参加できる場合もあり、一覧は県生物多様性センターのホームページで確認できる。笠間市と同じ二十五日には、ひたちなか市の国営ひたち海浜公園でも企画されている。

 

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