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【茨城】

「東海第二」一部が30キロ圏内 笠間の生活 奪われてはならぬ 署名に託す故郷への思い

東海第二原発の再稼働に反対する署名活動を発案した山口さん=笠間市で

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 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発三十キロ圏に入る笠間市で、再稼働に反対する新たな署名活動が進められている。呼び掛け人は、地域のまとめ役として市長から委嘱を受けている行政区長たちだ。「事故のせいで故郷を追われることがあってはならない」。再稼働が現実味を帯びる中、強い危機感を抱いて行動を起こした。 (越田普之)

 「ごく一般的な感覚として、運転開始から四十年が過ぎ、東日本大震災で被災もしている東海第二はアウトだと思う」

 署名運動の発案者で、JR友部駅に近い原店一区の区長・山口裕さん(67)は、そう語る。危機感を覚えたきっかけは、原電が原子力規制委員会の主要な審査を終えた後の今年二月、再稼働を目指すと表明したことだった。

 区長は「地域住民の利便性の向上と効率的で円滑な行政運営を実現する」ため、市長から委嘱を受ける。その役割の一つが「区内住民の要望、意見等の市への伝達」だ。

 山口さんの自宅も避難計画の対象で、事故時に栃木県に逃げることが指定されている。こうした地区の区長として、住民の思いを市に届ける必要があると考えた。再稼働に反対する鉾田市の女性グループが六千人分を超える署名を集めたとの報道も刺激になった。

 山口さんは近隣七区とともに構成する南友部区長会の代表でもある。三月、区長会の仲間に署名について相談。「『そんなことはやめようよ』という声が出ると思ったら、みんなが『原発は駄目だよなあ』という反応だった」。各区内で了解が取れ、三月下旬から署名集めを開始した。

 署名は、八月にも山口伸樹市長と市議会に提出予定だ。同時に手渡す要望書と請願書は「原発事故により、ふるさと笠間での生活を奪われることがあってはならない」と訴え、再稼働反対の意見書を県や原発周辺の六市村へ送るように求めている。請願は九月の定例市議会で審議してもらおうと思い描く。

 市では二〇一七年にも、同じ趣旨の署名二千六百人分の請願書が、別の市民団体から市議会へ提出された。請願が不採択だったことは山口さんも把握しているが「当時と状況が変わり、再稼働に近づいている。市長や議会にあらためて考えてほしい」と話している。

 署名に関する問い合わせは山口さん=電0296(77)6225=へ。

 

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