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【茨城】

「チバニアン」ピンチ 反対派が土地買収阻止、審査白紙も

国際学会で審査されているチバニアンに関係する地層と、反対派の団体が立てた看板=5月31日、千葉県市原市で

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 茨城大などのチームが、地球史の一時代を「チバニアン(千葉時代)」と命名するため、国際学会の審査合格を目指す計画が危機に陥っている。反対する地質学者が、命名の根拠となる地層などがある一帯で十年間の土地賃借権を設定し、チームと協力して千葉県市原市が進める土地買収を阻止する構えを見せている。

 国際学会での二次審査は昨年終わり、残るは三次と四次の審査。買収を進めて今年九月までに審査の手続きに入らないと、時間切れで計画が白紙に戻る可能性がある。

 チームは二〇一七年、市原市の山あいに露出する地層に地球の磁気の向きが逆転した七十七万年前の“大事件”の痕跡が明確に残っているとして、地球史の区切りを示す代表的な地層「国際標準模式地」とするよう国際学会に申請。模式地に選ばれれば、七十七万〜十二万六千年前がチバニアンとなる。

 模式地になるには、今後も地層が保存され、自由に立ち入って調査研究できる状態を保たないといけない。一帯の二万八千五百平方メートルは昨年、国の天然記念物となり保存の問題はクリアした。市有地として自由に立ち入れるようにしようと、市原市は昨年、民有地二万二千五百平方メートルを持つ地権者約三十人に対し、買収の交渉に入った。

 ところが、百五十五平方メートルを持つ地権者から昨年六月、今回の計画に反対する楡井(にれい)久・茨城大名誉教授(地質学)が代表を務める「古関東深海盆ジオパーク認証推進協議会」と交渉するよう市に通告。楡井氏が、月五千円の賃料で賃借権を設定したことが分かった。

 取材に「土地は絶対譲らない」と楡井氏。楡井氏は昨年「チームの論文に改ざんがある」などと国際学会関係者らに告発した。審査は中断したが、事実無根とのチームの反論を学会側が認めて再開した経緯がある。

 チームの菅沼悠介・国立極地研究所准教授は「専門家による科学的審査は終わり、問題がないと認められている」と説明。岡田誠・茨城大教授は「認定されなければ科学にとって大きなマイナスだ」と訴えている。

<チバニアン> 地質年代のうち77万〜12万6千年前をチバニアンとすることを目指し、茨城大などのチームが2017年、国際学会「国際地質科学連合」に申請した。千葉県市原市のほか、この時代を代表する模式地としてイタリアの2カ所も申請した。審査は4段階。チバニアンは17年に1次審査、18年に2次審査を通過した。認定されれば、日本にちなむ初めての地質年代の名称となる。

 

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