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【茨城】

「豪雨になったら避難するのは困難」 つくばの実験施設で記者が体験

大型降雨実験施設で(上から)1時間に60ミリ、187ミリ、300ミリの雨を体験する記者たち=つくば市の防災科学技術研究所で

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 天気予報で目にする「非常に激しい雨」「猛烈な雨」という表現。なかなか経験することはなく、ピンとこない人もいるのでは。そこで、つくば市の防災科学技術研究所が持つ「大型降雨実験施設」で雨に打たれてみた。感じたのは「豪雨の中で避難するのは困難」ということだった。

 「一時間当たり三〇〇ミリの雨はこれまで降ったことがないが、想定外の事態をなくすため、実験できるようにしている」。見上げるような高さの天井を持つ施設内で、酒井直樹主任研究員が説明した。一九七四年に完成した施設は幅四十九メートル、長さ七十六メートル、高さ二十一メートル。天井には雨粒を発生させるノズル二千個超を備える。豪雨時の土砂の崩れ方や、自動車の自動走行用レーダーの性能試験などにも使われている。

 まず、一時間に六〇ミリ、気象庁の予報用語の「非常に激しい雨」を再現してもらった。夏の夕立のように、ときどきある強い雨という印象で、傘を差し、雨がっぱを着ていれば大きくぬれることはなかった。

 次いで一八七ミリ。八二年七月の長崎豪雨で記録された、日本の観測史上最大の雨だ。予報用語では八〇ミリ以上の「猛烈な雨」に当たる。「やばいな」。安物の雨がっぱに水が染みて、冷たい。一メートルほどの距離でも、大声を出さないと同僚と会話ができない。防災行政無線で避難を呼び掛けられても、聞こえないだろう。

 さらに、最大出力の三〇〇ミリ。十分間雨量の最大値として二〇一一年七月に新潟県で五〇・〇ミリという記録があり、これが一時間続いた場合に相当する。風を再現するための送風機に近づくと、横殴りの雨であっという間に全身びしょぬれに。長靴の中まで水浸しになった。メモを取っていたノートは破れた。舗装された地面は冠水。側溝などが見えにくくなっていれば、流される危険がある。実際の雨なら、外出に恐怖を感じるほどだろう。

 激しい雨の中では避難は不可能だ。事前にいかに予測し、市民はそれを見て避難するのか。一筋縄ではいかないが、天気予報で非常に激しい雨や猛烈な雨になると聞いたら、かなり危険だということを認識し、早めに避難することが重要だ。

 

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