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【茨城】

取手いじめ自殺 市教委が説明会 元担任「県報告受け入れぬ」

保護者らへの説明会に出席した当時の市教委幹部ら=取手市で

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 取手市で二〇一五年に市立中学三年の女子生徒=当時(15)=が自殺した問題で、いじめとの因果関係を認めた県の調査委員会報告を受け、市教育委員会が二十二日夜に開いた同級生や保護者向けの説明会で、元担任が報告を受け入れず、出席を拒んだことを明らかにした。当時の市教委幹部らも報告を否定し、保護者や同級生らは「何一つ変わっていない」「最後まで隠蔽(いんぺい)か」など落胆や怒りの声を上げた。 (宮本隆康)

 市教委によると、説明会は「県調査委の報告を全面的に受け入れ、説明と謝罪をする」のが目的だったが、異なる結果になった。

 元担任は、昨夏から病気を理由に休職中で、家族を通じ「趣旨に賛同できない」と出席を断った。報告では「言動がいじめを助長した」と指摘されていて、受け入れない具体的内容などは不明という。

 説明会では、当時の市教委幹部がいじめを否定し続けた理由について質問が相次いだ。しかし、矢作進・元教育長らは「自殺につながるいじめか分からなかったため」と、報告で指摘された隠蔽の意図を否定した。

 矢作元教育長は、同級生から「報告の内容と違う。なぜうそをつくのか。最後の最後まで隠蔽するのか」と問われ、沈黙する場面もあった。女子生徒の父親は「回答を聞いていると、何一つ変わっていない。予想できたが、がっかりした」と話した。

 説明会は約三時間半に及び、閉会後に伊藤哲教育長は元担任の欠席を「非常に残念」と述べ、矢作元教育長らの発言については「みなさんには疑念を持たれたと思う」と語った。

 出席を求められた当時の他の教諭八人のうち、校長や教頭らは参加したが、四人は欠席した。「前回の保護者会で責められ、耐えられなかった」などと要請に応じなかったという。

 市教委は、保護者会を今回を最後にする方針で、今秋以降に再発防止策がまとまった後、郵送などで報告する。

◆「隠蔽していた人 なぜ栄転」 県教委人事に批判の声

 「いじめを隠蔽していた人たちが、なぜ栄転して校長になっているのか」

 女子生徒の母親は説明会で、中心的な担当者だった当時の参事と課長について、そう訴えた。

 当時の教育長と担当部長は退職したが、参事と担当課長は今春、市内や近隣市の小中学校の校長に異動した。「この二校は過去、校長から市教育長になるなど、関係者から格上とみられている学校」(取手市関係者)といい、地元では驚きの声が上がる。

 教員の人事は県教委が決めている。

 県調査委の報告後の人事だっただけに、市幹部は「驚いた。市が口を出す話ではないが、いかがなものかと思う」と漏らす。別の幹部も「よりによって当事者を市内の筆頭格の校長にして、集まって再発防止を話し合うのか」と首をひねる。

 母親の訴えに対し伊藤教育長は、関係職員の処分の手続きをしていることを説明し、人事について「批判があったことは県教委に伝える」と話した。

 市教委は再発防止策を策定中だが、保護者は「いくら制度をつくっても同じ人たちが扱えば、また同じことになる」と疑問視する。

 

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