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【茨城】

東海村社会福祉協議会 暴言の職員処分 村が開示申請情報を漏えい

東海村社会福祉協議会が入る「村総合福祉センター絆」=東海村で

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 東海村社会福祉協議会(社福)の職員二人が暴言で懲戒処分された問題を巡り、処分公表前に、本紙が村に情報公開請求したところ、村の担当者が、村議に「マスコミから情報公開請求があった」などと漏らしていたことが分かった。請求者の情報を秘匿することは情報公開制度の根幹。識者は「制度の信頼を損ねる」と問題視する。 (山下葉月)

 本紙は五月、「社福内でパワーハラスメントや暴言があり、職員が処分された」との情報を入手。社福に確認したが「個人が特定される」との理由で、具体的な内容の説明を拒否した。

 そのため、福祉事業を委託する村に対し、本紙は五月三十日、処分に関わる報告資料などを情報公開請求した。

 村関係者によると、開示前日の六月十一日、村福祉総務課の担当者が一部村議に「東京新聞から情報公開請求が来ている」とし、社福の処分について説明したという。ただ、説明を受けた村議は「東京新聞の名前を出したのか、記憶が定かでない」と話した。

 村は十二日、本紙に情報開示し同日、社福も本紙など問い合わせをしたマスコミに処分を明らかにした。

 福祉総務課の佐藤秀昭課長は、情報公開請求があったことを漏らした事実を認めた上で、「議員には『マスコミから請求が来ている』と説明した。具体的な名前は出していない」とした。「社福と村は密接な関係にある。議員にも処分の情報を知っている人がいて、記事になる前に説明が必要だと思った。マスコミから問い合わせがあったことは説明しなくてよかったと思う」と謝罪した。

 開示請求者の情報漏えいでは二〇一六年、富山市議会事務局の職員が、自民会派の所属議員に「地元のテレビ局から政務活動費の情報公開請求がある」と伝え、議員が不正の隠蔽(いんぺい)を図る問題があった。ほかにも地方議会の政務活動費に対する請求が、議員側に漏れる事態が相次いだ。

 情報公開法では、請求者に関する情報を漏らす行為についての罰則はないが、総務省は同年九月、「開示請求者が公になれば、開示情報の萎縮や情報公開制度への信頼の低下につながる」などとして、請求者の個人情報を、知る必要のない人には共有しないよう、都道府県などに求めていた。

 NPO法人情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は、村が事前に議員に通知したことに「情報公開の処理において、必要不可欠ではない。口裏合わせなどを疑われる可能性も出てきて、制度そのものの信頼性を損ねる可能性がある」と指摘した。

 

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