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【茨城】

自転車選手権で日本一 17歳以下の部 茨城町出身・篠原さん

自転車の全日本選手権タイムトライアルで力走する篠原さん=静岡県小山町で(本人提供)

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 世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」総合優勝の夢を抱き、単身フランスに渡って武者修行を続けている茨城町出身の篠原輝利(きり)さん(16)が一時帰国中の六月、全日本選手権タイムトライアル(TT)の十七歳以下の部で優勝を果たした。順調な成長曲線を描くが、今回の栄冠も一つの通過点。まっすぐなまなざしは、さらなる高みを見すえている。(越田普之)

 篠原さんと自転車の出会いは小学六年の時、三万円のロード用自転車を父に買ってもらったこと。練習に没頭し、各地のロードレースで優勝するなど次世代ホープとして注目されるようになった。しかし、「日本にいては世界と戦えない」と思い立ち、町立明光中を卒業後の二〇一八年三月に渡仏。ノルマンディー地方の都市ジュミエージュの自転車チームに加入し、週に何度もレースに出場している。その傍ら、競技一辺倒の生活にならないように日本の通信制高校で学んでいる。

 チームには、十五歳以下の「ミニム」から「エリート」と呼ばれる大人の部まで約五十人が所属する。日本人は篠原さんとエリートの一人しかおらず、ほかはフランス人だという。

 自転車の本場でも通用する自信はあった。ただ、レースに出てみると、日本のような単純な我慢比べとは違って駆け引きが激しく、ゴール前の混戦では反則すれすれの肉弾戦が繰り広げられていた。

全日本選手権タイムトライアルを制して獲得した「ナショナルジャージ」を手にする篠原さん=茨城町で

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 こうした環境は望むところと、気後れすることなく適応。勝負の「引き出し」を増やして結果を出し、エースの役割を与えられるようになった。一八年は二十五戦走って五勝を挙げた。

 一九年もシーズン前半で三勝。こうした実績を引っ提げて一時帰国し、六月二十七日に静岡県小山町で開かれた全日本選手権のTTに挑んだ。各部門の優勝者には日の丸をあしらった「ナショナルジャージ」が贈られる国内最高峰の舞台だ。レースでは、自転車の不具合に立て続けに見舞われながらも、二位に三秒差で逃げ切った。「アクシデントがあった中での日本一はうれしかった」とほおを緩める。

 一方、翌日のロードレースは七位。「平常心を保てなかった。勝てるレースを逃した」と悔しさをにじませる。それでも「ずっと勝ち続けることはできない」と引きずらず、今では良い経験ととらえている。

 渡仏前に立てた「二十歳までにワールドツアーの出場チームに入り、二十三歳でツール・ド・フランスの新人賞を取る」との誓いは固い。二〇年には、より強いメンバーがそろうチームに移籍する。目標から逆算した足取りは確かだ。

 「今は自転車が楽しい。感動を与えられるような走りをしたい」と篠原さん。ツール・ド・フランスの勝者に与えられる栄誉のジャージー「マイヨ・ジョーヌ」を目指し、ペダルを踏み続けるつもりだ。

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