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【茨城】

<つなぐ 戦後74年>紙とこんにゃくで勝てる!? 風船爆弾の歴史 演劇で紹介

公演「カミと蒟蒻」の一場面=京都市で(シアターリミテ提供)

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 太平洋戦争で、北茨城市などから放球された風船爆弾を題材にした演劇「カミと蒟蒻(こんにゃく)」が九月十四、十五の両日、水戸市内で上演される。京都を拠点にする劇団「シアターリミテ」の公演。ひたちなか市出身で劇団を主宰する長谷川源太さん(50)=京都市=は「紙とこんにゃくで勝てると信じていた当時の妄信性は、現代にも通じるということに気付いてほしい」と話す。 (松村真一郎)

「戦時中の妄信性は現代にも通じると気付いてほしい」と話す長谷川さん=水戸市で

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 作品は、風船爆弾の工場で班長を務めていた元軍人に、新聞記者が当時の話を尋ねる場面から始まる。勤労動員され、妄信的に作業する女学生や戦争に疑問を抱く男子学生、自らの務めを果たそうとする軍人とのやりとりを描いた。

 風船爆弾は戦争が長引き、日本が追い詰められ、物資が窮乏する状況で製造された。こんにゃくを原料としたのりで和紙を貼り合わせた気球に、爆弾を下げたもの。太平洋戦争末期に、米国本土に向けて北茨城市のほか、千葉県や福島県から放たれた。

 長谷川さんは子どものころ、母から風船爆弾の話を聞いたことがあった。また数年前に新聞で、住んでいる京都市内にある歌舞練場が、戦時中に風船爆弾の工場とされていたことを知り、出身地とのつながりを思い、テーマにすることに決めた。製造作業に従事していた元女学生の話や、参考文献を基に、脚本を手掛けた。

 二〇一六年に京都市で初演し、日本劇作家協会の劇作家協会新人戯曲賞で、最終選考作品にノミネートされた。今回は初演時の脚本を半分ほど書き換え、登場人物や、日本が無謀な戦争に突き進んだ時代の背景をより深く描いた。

 長谷川さんは「茨城で風船爆弾が放たれていたことを知ってもらいたい。演劇や郷土史に興味がある若い世代にも見てほしい」と期待した。

 公演は水戸市新荘三の劇場スペース「稽古場 風」で十四日午後三時、十五日午前十一時、午後三時からの三回で、各回とも三十席限定。前売り二千円、当日二千五百円。問い合わせはシアターリミテ=電090(3615)3934=へ。

 

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