東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 8月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

日本の稲作学ぶアフリカ勢急増 JICA つくばなどの施設

JICAの研修施設にある水田で、田植えをするアフリカの研修員たち=つくば市で

写真

 国際協力機構(JICA)の研修プログラムで来日し、つくば市の施設などで稲作を学ぶアフリカの人たちが急増している。現地でコメの生産や消費が拡大していることが背景で、JICAは乾燥地域に応じたコースの拡充など受け入れ態勢を強化。日本の先進技術や高性能の農業機械に熱い視線が注がれている。横浜市で開催中のアフリカ開発会議(TICAD)でもコメ増産は議論の対象だ。

 つくば市の水田で五月、アフリカの若手官僚や研究者が打楽器の音に合わせ、軽快に苗を手植えしていた。JICAの施設で開かれた交流イベント。ザンビアの農業省職員ジョン・チューバさん(43)は「私の国でコメはクリスマスなど特別な日に食べるものだったが、最近は日常になった。稲作の伝統国で高水準の技術を学びたい」と笑顔で話した。

 ザンビアの主食はトウモロコシの粉をお湯で練ったもの。他のアフリカ諸国も、甘くない調理用バナナやイモなどバラエティーに富む。コメが主食の国もあるが、多くの国では流通量が限られ高級食材だった。「近年は市場で買いやすくなり身近になった」という。

 JICAは一九七〇年代から、各国の研修員にコメの品種や土壌の改良、農機の操作方法などを指導してきた。

 九〇年代まではアジア圏からの参加者が大半を占めたが、経済成長などで減少。病気に強く高温な気候に合う品種「ネリカ」の開発を契機に、二〇〇〇年以降はアフリカ勢が急増した。

 つくば市の施設で一八年に研修した八十一人のうち約九割の七十五人がアフリカからで、水田設備などで数カ月かけて講習を受けた。JICAは水田を持つ山形大や名古屋大の協力を得て実習を増やし、乾燥地を想定したコースを拡充。現地に技術者を派遣し、現在十七カ国で指導に当たる。

 こうした日本の協力もあり、サハラ以南のアフリカでの生産量は〇八年の約千七百万トンから一六年に約二千六百万トンに増加。だが、人口増などの影響で、需要の伸びに追いつかず自給率アップが課題だ。

 農機メーカー大手のクボタ(大阪)は稲作農機の注文や問い合わせが近年増加しているため、アフリカ八カ国にある販売代理店を十五カ国ほどに増やす方針だ。「欧米メーカーがカカオなどの作物向けで定着している一方、日本は稲作関連の品ぞろえや性能で評価が上がっている」と担当者。安価な中国製が流通しつつある中、低価格の耕運機開発にも力を入れる。

 TICAD(二十八日〜三十日)では、コメのさらなる増産に向けた計画が話し合われている。JICAの担当者は「日本の優れた技術を広め、国際貢献につなげたい」と話している。

写真
 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報