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【茨城】

いつでも気軽に「スマホ」で医療相談 つくばの企業 石岡など4市町で実証実験

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 医療相談アプリ開発のベンチャー企業「AGREE」(アグリー、つくば市)はスマートフォン用アプリ「LEBER(リーバー)」の実証実験を石岡市、常陸大宮市、大洗町、大子町と共同で始めた。地方の医師不足が問題になる中、スマホを使った医療相談で不要不急の受診を減らし、現場の負担や医療費の軽減を目指す。 (宮本隆康)

 アプリを通じ、内科や外科、小児科などの医師が、診療活動の合間に相談に応じる。健康保険の対象の診療ではないため、助言や提案にとどめる。

 利用者はいつでもスマホで、問診に症状などを書き込み送信。疑われる症状や受診の必要性、診療科、市販薬などのアドバイスが返信される。患部の画像や、せきをする動画を送ることもできる。返信までの時間は最短一分程度で、八割が三十分以内という。

 考案したのは、つくばみらい市で在宅医療の診療所などを経営する医師の伊藤俊一郎さん(40)。大学病院の心臓血管外科医だった当時、過酷な勤務をした経験がきっかけになった。

 一カ月の半分ほどは、当直や患者の経過観察で病院に泊まった。夜間に訪れる患者の九割以上は、診察が不要不急の症状だった。当直はほとんど徹夜で、翌日も普通に勤務するのは日常的。周囲には、病気になったり突然死したりする勤務医もいたという。

 知人からスマホで病気の相談を受けていたことから「アプリで同じことができる」と起業し、二〇一八年一月に運営を始めた。

 四市町との実証実験は、乳幼児がいる計約三千九百世帯が対象。本年度末まで、無料でアプリを利用してもらい、効果を検証する。五月から始めた石岡市では、これまで84%が「不安が軽減した」と回答しているという。

 伊藤さんは「複数の自治体による大規模な医療相談アプリの実証は、全国的にも珍しいのでは」と指摘。その上で「市販薬で対処できる症状や、病気かどうかを確かめるための受診は多い。医師に気軽に相談でき、不要不急の『コンビニ受診』が減れば、重症の患者にもっと人手をかけられるし、医療費も減らせる」と話している。

 通常のアプリの利用料金はポイント制で一回当たり百二十〜六百円相当。現在は県内外の約七千人がアプリをダウンロードし、約百人の医師が登録している。

 

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