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【茨城】

原発訴訟 「本心からの反省の言葉を聞きたかった」 双葉町からつくばへ 中村希雄さん

 「どうせ判決はそんなものだろう、と最初から思っていた。でも企業の長として責任逃れだけではなく、本心からの反省の言葉を聞きたかった」。福島県双葉町からつくば市内に避難している中村希雄さん(77)は、無罪判決をラジオで聞き、淡々と話した。

 公判を通じ、被告の東電元幹部の原発への考え方を知りたかった。「刑務所行きや罰金を求めても仕方ない。せめて『原発は間違いだった』と、懺悔(さんげ)の言葉をはっきり言ってくれればいい」と思っていたという。

 だが、その期待は裏切られた。「企業の長として、原発について話す責任があるはずなのに、ただ『知りませんでした』と逃げているだけ。無罪の主張よりも反省がないことが頭にくる。しょうがないけど歯がゆい」と、やり場のない思いを口にした。

 中村さんは妻らと埼玉県加須市で避難所生活をした後、二〇一一年十月につくば市並木地区の公務員宿舎に移り、つくばに避難した住民をまとめる双葉町つくば自治会長を務めた。当初は避難してきた四十八世帯が、同じ公務員宿舎に入居。今は多くが転居してつくば市内で暮らすが、まだ十世帯が残っている。

 中村さんは自宅が帰宅困難区域にあり「帰りたいけど帰れる兆候もない。どう見ても無理だ」と戻ることは諦めている。

 自宅はイノシシやハクビシンが荒らし、ふんの臭いが漂う。周囲では家屋の取り壊しが進み、更地が広がる。「原発事故の遺構として残そうとも思ったが、自分だけ頑張っても仕方がない。迷いはあるけど取り壊すしかない」と漏らす。

 

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