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【茨城】

台風19号 浸水のスピード早く、逃げ遅れたか 大子町 自宅で91歳女性死亡

女性が亡くなった久慈川(右)沿いの住宅=大子町大子で

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 台風19号で県内では2人が死亡し、1人が行方不明になっている。大子町では女性(91)が自宅で、背丈を超える浸水に襲われて亡くなった。浸水のスピードが早く、逃げ遅れたとみられている。常陸大宮市でも、行方不明の男性(71)が用水路に流されたとみて捜索が続いている。 (宮本隆康)

 県によると、大子町の女性は台風通過後の十三日午前八時前、一階台所で倒れているのを近所の住民が見つけた。女性は二階建ての住宅に一人暮らし。身長は約一五〇センチで、一階は床上約百六十五センチまで浸水していたことから、逃げ遅れたとみられている。

 女性宅は、町の中心部で久慈川の脇にある。水位が上がりやすい支流との合流地点にも近かった。

 近所の住民によると、十二日夜から住宅で浸水が始まり、十三日未明には高さ一メートル以上に達した。床上浸水が始まり、胸の高さに上がるまで十五分程度しかかからなかったという。

 民生委員らは浸水前、一人暮らしのお年寄りを中心に避難を呼び掛けた。避難しない人も多く、女性も何回か声をかけられたが、自宅にとどまった。

 女性は普段つえをついて歩き、足腰はやや弱っているようだったという。近所の自営業の男性(65)は「停電で真っ暗で、どんどん泥水の水位が上がってきてしまえば、お年寄りが二階に逃げるのは難しかったのだろう」と推し量った。

 一方、常陸大宮市の男性は、久慈川や那珂川から離れた中山間地の自宅付近で行方不明になった。

 市によると、自宅前を用水路が流れ、台風接近の十二日午後七時ごろ、床下が浸水した。「ちょっと外に出てくる」と懐中電灯を持って外出し、約一時間後に家族が「戻らない」と通報した。

 消防と警察などが周囲を捜索し、用水路付近で懐中電灯が発見された。下流の川では、雨がっぱと片方の長靴も見つかった。自宅では、親族とみられる女性が「話すことはありません」と言葉少なだった。

 ほかの死亡者は、強風で転倒した桜川市の男性(85)。県によると、十二日午後八時ごろ、自宅敷地で転んだ際に頭を打ち、十四日に搬送先の病院で亡くなった。

     ◇

 県は、台風19号の死亡者と行方不明者計三人の市町村名や年齢は公表したが、氏名は「親族の意向」を理由に公表していない。

 本紙などの報道機関でつくる記者会は、死亡者らの行動などが被害を繰り返さない貴重な教訓となる可能性を指摘し、公表を求める要請書を提出している。

 

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