東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

台風19号 久慈川氾濫の大子 紅葉シーズンに向け復旧急ぐ

泥が残る隅には赤いコーンで立ち入れないようにした観瀑台=大子町袋田で

写真

 台風19号で久慈川が氾濫した大子町では、袋田の滝や一部の温泉旅館など、観光施設も浸水などの被害を受けた。キャンセルや風評被害などで、観光客が半減しているとの声もある。年間で観光客が最多の紅葉シーズンを目前に控え、関係者は「来てくれることが支援になる」と訴えている。

 「観光客は半分程度に減ったのではないか。現在はほとんどの観光施設は復旧しているのに、客足はあまり戻っていない」

 町観光商工課の内田さち子課長は、町の主力産業になっている観光の状況についてそう説明する。

 課によると、町内の約二十カ所の宿泊施設のうち、断水で数軒が三日間ほど営業できず、キャンセルも相次いだ。今も二軒が浸水の影響で、当面の休業を強いられている。台風後も週末の雨が続き、再びキャンセルが出ているという。

 さらに、町特産のリンゴ狩りのシーズンに入っている観光果樹園では、実が落ちるなどの被害はほとんどないが、風評被害で大幅に客が減った。農家から「何とかして」と悲痛な声が寄せられているという。

 このほか、上小川キャンプ場は三十六棟のバンガローの大半が流され、復旧には相当な時間が必要になっている。

 町内の観光の柱になっている日本三名瀑の一つ袋田の滝でも被害があった。

 観瀑施設管理事務所によると、滝を間近に眺められる観瀑(かんばく)台から水が押し寄せ、二百メートル以上の通路が泥だらけになった。職員たちが一輪車などを使い、手作業で泥を撤去。十四日から通常営業に戻し、人出はほぼ戻った。

 しかし、二つある観瀑台のうち、一カ所は隅に泥の一部が残り、赤いコーンを置いて立ち入れないようにしている。

 近くで土産店兼飲食店の「まるせんや」を経営する根本学さん(65)は「陳列台やテーブルが水に浮いて倒れてしまい、商品は全て泥水に漬かったので捨てた」と嘆く。

 久慈川支流などの水で、店は高さ約一メートルまで浸水した。床の泥を取り除き、テーブルなどを洗って消毒。一階の住宅部分の修理は後回しで、二十二日に土産店を再開したが、飲食店部分は営業できずにいる。

 「JR水郡線が袋田駅まで来ない影響も心配だ。紅葉が十一月初めからなので、それまでに飲食店部分を間に合わせたい」と語る。

 町は、観光業活性化が町内産業の支援につながるとして、観光PRに力を入れる考え。 (宮本隆康)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報