東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

川の氾濫 同時多発的 避難情報提供に課題

 台風19号では、行政側の氾濫を知らせる情報提供や避難の呼びかけに課題が浮上している。国土交通省は、那珂川と久慈川の同時多発的な氾濫の対応に追われ、常陸大宮市などの那珂川で「氾濫発生情報」を出さなかった。また水戸市では、「避難勧告」の意味が住民に十分に伝わっておらず、逃げ遅れにつながった可能性もある。

 国交省関東地方整備局によると、十三日午前一時半ごろ、「常陸大宮市の那珂川が越水している」と常陸河川国道事務所(水戸市)に委託巡視員から連絡があった。暗闇の中、車中からの目視で、事務所はこれだけでは「氾濫発生情報」を出せないと判断。職員を水戸から現地に向かわせた。

 午前四時半すぎ、職員も越水を確認。本来なら氾濫発生情報が出されるはずだったが、整備局担当者は「久慈川の氾濫情報と錯綜(さくそう)していた。久慈川の対応に時間が割かれ、人員に余裕がなかった」と釈明する。

 整備局は氾濫発生情報を出さないまま、午後三時に常陸大宮市などでの那珂川の決壊を発表した。

 下流の水戸市では、十二日午後四時に避難勧告を発令した。警戒レベルは4で、全員の避難を求めるものだ。市防災・危機管理課によると、水位はそれほど高くなかったが、夜間に水位上昇が見込まれたためで、最初は十五分ごとに広報したという。課は那珂川支流の越水を受け、十三日午前三時半に同じ警戒レベル4で、緊急的に避難を求める避難指示に切り替えた。

 「勧告」も「指示」も避難を求められているが、住民は「指示」が出るまで避難をためらい、浸水から逃げ遅れた可能性がある。結果、百六十五人がヘリやボートで救助された。

 担当者は「防災訓練などで避難勧告も避難指示も同じ警戒レベル4と伝えてきたつもりだが、結果的に『指示』が出て初めて動く住民の意識とずれがあった。避難の在り方のより良い方向を探っていきたい」と話している。(鈴木学)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報