東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

アスベスト 肺がん 逆転で労災認定へ

会見で「やっと認められた」と語った大方忠夫さん=県庁で

写真

 建物の解体現場などで長年働き、アスベスト(石綿)により肺がんになったとして、県内在住の大方忠夫さん(68)が労災認定を申し立てたことを巡り、水戸労働基準監督署が「認定しない」とした決定を茨城労働者災害補償保険審査官が取り消した。逆転で認定される見通しとなった。

 大方さんらが九日、県庁で会見し、労基署の決定は医師による検査所見の誤りが原因で「『誤診』されている人は他にもいるはずだ」と訴えた。

 大方さんは一九九一〜二〇一〇年に県内の四事業所で、石綿製品が被覆材などに使われた建物の補修、解体に従事。一四年に異常が見つかり、肺がんの診断で手術をした。

 昨年、労基署に労災を申請したが、認められなかったことを不服として審査官に審査請求し、今年十一月二十八日に取り消し決定が出た。

 代理人の「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」事務局の沢田慎一郎氏は、労災審査に当たる協力医が、石綿を吸引した人にみられる特有の病変「胸膜プラーク」を適切に読みとれなかったことが問題だったとする。大方さんの場合、並行して申請した救済制度で「胸膜プラークあり」との所見を得たことが逆転につながった。

 大方さんは、労基署側から労災申請取り下げを求める圧力があったとして、そのストレスから耳鳴りなどが続いているというが、「やっと認められた」と安堵(あんど)の表情を見せた。今後、改めて労基署が療養補償給付などの決定をする見通し。

 患者と家族の会は、肺がん患者や石綿関連の病気に心配のある人の相談=フリーダイヤル(0120)117554=を受け付けている。 (鈴木学)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報