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【茨城】

東海第二原発 東海村で原子力防災シンポ 「事故があれば、避難先で惨めな思い」

「原発避難は故郷に戻れない地獄への片道切符」と話す井戸川克隆さん=東海村の石神コミュニティセンターで

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 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の事故時の住民避難について考える「原子力防災シンポジウム」が十四日、村内の石神コミュニティセンターであった。東京電力福島第一原発事故の際に住民を遠方に集団避難させた福島県双葉町の井戸川克隆前町長(73)が講演し、「東海第二を再稼働して事故があれば、皆さんも私たちが避難先で味わった惨めな思いをすることになる」と警鐘を鳴らした。 (宮尾幹成)

 市民グループ「東海第二原発の再稼働を止める会」が主催し、約五十人が参加した。

 井戸川さんは、双葉町から約二百キロ離れた埼玉県加須市に住民を避難させた当時の決断について、政府や東電から事故の正確な情報が伝わらない中で「とにかく被ばくから町民を守るのに必死だった」と振り返った。原発の周辺自治体が策定を進めている避難計画については「避難は甘いものではない。字で書くのは誰でもできるが、現場に置いた時にどれくらい実効性があって、住民を救えるのか」と疑問視した。

 「原発安全神話」があった福島第一事故当時と違い、今は国民が原発事故が起こり得ることを知っているとして、「次に事故を起こして避難したら必ずいじめに遭う。『再稼働したのはあなたたちだ。われわれは賛成しなかった。今さら助けてくれと言われても知らない』と言って追い出される」とも指摘。山田修・東海村長に対しては「加害者として賠償請求されたり、刑事訴追されるかもしれない」と警告した。

 双葉町が二〇〇八年度までの三十五年間に国から受け取った原発関係の交付金は三十三億円にすぎず、福島第一事故で「二百年と二十兆円を失った」と後悔の念も吐露。「東海村が失うものはもっと大きい。(将来にわたる損失額は)国家予算の二倍との試算もある。経済優先で再稼働するなら、全部失うことを恐れるべきだ」と語った。 

 

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