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【茨城】

再稼働是非の県民投票?東海第二 市民団体、条例案上程へ署名集め

海岸沿いにある排気筒が目印になっている東海第二原発。周辺には多くの民家が広がっている(本社ヘリ「おおづる」から)

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 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発を巡り、今年は、再稼働の是非を問う住民投票が実現するかどうかが焦点となる。市民団体「いばらき原発県民投票の会」が年明けから、住民投票条例の制定を大井川和彦知事に直接請求するのに必要な署名集めを開始。十一、十二日には、ひたちなか市や水戸市など八カ所で街頭署名がある。 (宮尾幹成)

 署名期間は、選挙による中断がある場合を除き三月六日まで。県民投票の会は、六月の県議会定例会での条例案上程に向け、県内有権者の2%超に当たる五万筆を目標に掲げる。条例案が議会で可決されるかどうかにも注目が集まる。

 仮に住民投票が実施されても、結果に法的拘束力はないが、再稼働に反対する票が多ければ、大井川知事が、再稼働の是非を判断する際に大きな影響を与えるとみられる。

 原電は現在、再稼働に向けた事故対策工事を進め、二〇二一年三月末の完成を目指している。また昨年九月には、テロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の審査を原子力規制委員会に申請した。

 これらの工事にかかる費用は約三千五百億円に上るとみられている。ただ、原電は自力での資金調達が困難で、東電を中心に大手電力五社が債務保証などで支援する枠組みが固まった。

 実質国有化されている東電が他社の原発を支えることには「福島第一原発事故の賠償や廃炉に専念すべきだ」との反発が強く、東電株主が資金支援の差し止めを求めて提訴する動きも起きている。

 新規制基準で設置が義務付けられたテロ対策施設は、原発本体の工事計画認可から五年以内の設置が求められ、東海第二は二三年十月十七日が期限。仮に再稼働できたとしても、期限までに工事が終わらなければ運転停止となる。

 東海第二から三十キロ圏の十四市町村(人口約九十四万人)には、事故に備えて避難計画を策定する義務がある。だが、これまでに策定したのは笠間、常陸太田、常陸大宮の三市のみで、昨年の新規策定はゼロ。再稼働に当たって同意が求められる周辺六市村でさえ、常陸太田市以外は策定できていない。

 策定済みの三市の計画も、実効性には疑問符が付いている。そもそも実効性ある計画は不可能との指摘も多く、十四市町村が出そろうめどは立っていない。

 原電が昨年二月、周辺六市村に再稼働を目指す方針を伝えたのを機に、原電と六市村の事務レベルの担当者による会議が設置された。不定期で非公開の会合を開き、原電側が対策工事の進捗(しんちょく)状況などを説明しているもようだ。

 原電の村部良和常務(東海事業本部長)は昨年末、本紙など加盟の県政記者クラブとの意見交換会で、再稼働時期の見通しについては「地域や自治体にご理解いただく努力を重ねている」と述べるにとどめた。

   ×   ×

 東海第二に隣接する東海原発(一九九八年に運転終了)について原電は昨年、廃炉完了時期を五年先延ばしして三〇年度にすることを明らかにした。

 汚染度の高い原子炉付近の設備の解体廃棄物を収納する容器の設計などに時間がかかるためという。当面は、炉心の熱で水蒸気を起こしてタービンに送る熱交換器など、原子炉付近以外の解体を続ける。

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