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【茨城】

<東海村議選 東海第二原発の現場から>(上)  原発の恩恵「少ない」

再稼働に向け工事が進む東海第二原発(右の排気筒付近)。左奥は、常陸那珂火力発電所=東海村で

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 日本原子力発電(原電)が昨年二月、東海村の東海第二原発の再稼働を目指す意向を表明してから、初の村議選が十四日、告示される。次の村議の任期中、村は原電から再稼働の同意を求められる可能性がある。山田修村長が是非を判断する上で、村議会の意向も一つの焦点。現状、村議会は再稼働賛成派が多数を占め、このまま再稼働に突き進むのか。原発を巡る村の課題を探った。 (松村真一郎)

 東海第二原発から約一・五キロ離れたビジネス旅館おしょうづか。玄関からは、東海第二の排気筒がはっきりと見える。

 旅館を切り盛りする斎藤日出子さん(74)は「最近は、(村に立地する)常陸那珂火力発電所で働く人の宿泊が多い。部屋はほぼ満室で、原発が動いていなくても客は足りている」と話す。

 東海第二の再稼働賛成派は、メリットとして「作業員が宿泊施設に泊まったり、食事をしたりすることで、経済効果が生まれる」と強調する。確かに、村内の宿泊施設に尋ねると、「原発が動いてくれると、宿泊客が増えるので助かる」と恩恵を期待する声もある。

 だが、東海第二が停止してから約九年で、原発に依存しない脱原発の経済が着実に浸透している。長年、旅館を経営する男性は「うちの宿泊客は、スポーツ合宿の学生も多く、原発のウエートは小さい。再稼働には期待していない」と言い切る。

 村の財政面でも税収に占める原発の比率は下がっている。村内には、日本原子力研究開発機構などの原子力施設が複数あり、村税収入のうち、原子力関係の割合は二割程度。東海第二に限ると、より小さくなる。

 東海第二は、運転開始から四十年以上が経過し、固定資産税は減少傾向にある。他方、二〇一三年十二月に二号機が運転開始した常陸那珂火力発電所が、減少した原発の税収分を補う役割を果たしている。

 仮に、東海第二が再稼働した場合、利益に応じて変動する法人村民税や固定資産税が増える可能性はあるが、村企画経営課の担当者は「他の原発立地自治体と比べると、別の原子力施設も多いため、原発の稼働の有無が、財政に与える影響は限定的だ」とする。

 こうした背景も踏まえ、村は、原発なき後の村の将来を模索する。二〇一七年度には、関東学院大の湯浅陽一教授(環境社会学)の脱原発による財政の研究に資金提供した。

 湯浅教授は、廃炉作業にも長い期間を要することから、作業員が村に滞在することによる経済効果は、長期的に持続すると分析し「東海第二を動かす必要はない」と主張する。

 その上で「住民の間では、廃炉になることで村の経済が心配だという考えもあると思う。そのため、廃炉に必要な人員や期間のデータを基に、しっかりと検証し、住民に示していくことが重要」と話す。

 東海第二が再稼働できる期限は三八年十一月までで、すぐに再稼働できたとしても、定期点検などもあり、実質十数年しか動かせないとみられる。新しく選ばれた村議は再稼働の是非にかかわらず、廃炉を見据えた村経済のビジョンを描く必要がある。

◆村議選あす告示 21人が立候補へ準備

 東海村議選(十四日告示)は、今回から定数が二〇から一八に減る。現職二人が引退するとみられる一方で、新人三人が立候補を予定しており、計二十一人の選挙戦になる見通し。

 党派別では、公明二人、共産、国民民主各一人、無所属十七人。

 投票は十九日、村内の十四投票所であり、午後七時から村総合体育館で即日開票される。選挙人名簿登録者は昨年十二月一日時点で、三万一千三百十人。 (松村真一郎)

 

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