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【茨城】

<東海村議選 東海第二原発の現場から>(下) 村民の声すくえるか

雑誌の対談記事を巡り、村議会で釈明に追われた山田修村長=東海村で

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 「再稼働に賛成する議員たちから働き掛けがあって、あのような発言をしたと受け取られかねない」

 東海村に立地する日本原子力発電(原電)東海第二原発の再稼働に賛成する村議は、山田修村長が雑誌で再稼働に前向きと取られる発言をしたことに、そう話し顔をしかめる。

 山田村長は昨年十月に発行された原子力業界誌「ENERGY(エナジー) for(フォー) the(ザ) FUTURE(フューチャー)」で、東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県刈羽村の品田宏夫村長と対談。東海第二を含む沸騰水型原子炉(BWR)の再稼働に関するやりとりの中で「安定的な電力の供給は絶対に欠かせない。BWRについてもしっかりと再稼働していく必要がある」と、東海第二の再稼働が必要だと言わんばかりの発言をした。

 山田村長はこれまで、村長選なども含め、再稼働については「中立」とし、賛成派と反対派から支持を得てきただけに、発言は波紋を広げた。

 村議会の再稼働の是非を巡る勢力図は本紙の取材で、村議二十人のうち、賛成が八人、反対・慎重が五人、態度を明らかにしていないのが七人で、賛成派が多数を占める。

 山田村長の発言は、賛成派にとって追い風のようにも見えるが、歓迎する声は聞こえない。

 賛成の村議は「再稼働するにしても、住民にしっかり説明し、理解してもらうことが必要。今回の発言は、始めから結論ありきだと捉えられかねない」と眉をひそめる。住民の間でも再稼働に懐疑的な声は根強く、選挙戦を前に賛成派の印象悪化を恐れる。別の村議は「反対派が勢いづく結果になった」ともいう。

 十二月の村議会定例会の全員協議会や一般質問では、発言への質問が村議たちから相次ぎ、山田村長は「BWR全般の話で、東海第二については白紙だ」と釈明に追われた。

 東海第二が再稼働する際に同意を求められる山田村長は、議会や住民の意思を踏まえて判断するとしている。そのため、選挙後の議会がどのような勢力図になるかも、一つのポイントになる。

 ただ、立候補を準備している反対派が全員当選したとしても、過半数には届かず、賛成派が多数を維持するとみられる。一方で、賛成派とみられていても、態度を示していない候補者もいる。

 前回(二〇一六年)の村議選では、原発問題はあまり語られず争点にならなかった。今回の村議選で、立候補者が再稼働に対する考えを主張しなければ、村民の思いをすくい取る受け皿になれない。選挙で原発を語らぬまま、村議会で再稼働の是非を問われた際に、賛成するのは「後出しじゃんけん」と批判されても仕方ない。

 東海村白方の無職、平松純子さん(74)は「東海第二原発は大きな問題。立候補者には、自分たちの意見をしっかり言ってほしい」と要望した。 (松村真一郎)

 

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