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【茨城】

東海村議選 新議員18人決まる 任期中に再稼働是非判断も

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 日本原子力発電(原電)東海第二原発が立地する東海村の村議選(定数一八)は十九日、投開票され、新議員が決まった。賛成派と反対派がそれぞれ一議席を減らす結果で、賛成多数の構成は変わらなかった。東海第二原発は来年三月以降に事故対策工事が終わる見込みで、新議員は任期中に、再稼働の是非を問われる可能性がある。 (松村真一郎)

 当選したのは再稼働に賛成の現職七人、反対の現職四人、態度を明らかにしていないのが、新人を含め七人。当日有権者数は三万一千四十九人。投票率は、53・02%(前回57・98%)で過去最低だった。

 反対の現職一人が落選。当選した現職の阿部功志氏(65)の事務所には午後八時半すぎ、当選確実の報が知らされた。阿部氏は、支持者らを前に、「原発に批判的な議員は少ないので、議会の中では一人で三人前、四人前の働きをしなければならない」と決意を新たにした。「今後の四年間で、議会でも原発に関する動きがあると思うが、数に押されないように頑張っていきたい」と力を込めた。

 賛成の現職一人が引退したこともあり、賛成が多数を占めていた改選前と比べ、改選後は賛成と態度を明らかにしていない議員が同数になった。

 ただ、態度を明らかにしていない議員七人のうち三人は、賛成が多い会派「新政とうかい」に所属していることから、再稼働に理解を示している議員が多数を占める構図は変わらない。

 東海第二の再稼働を巡っては、新議員の任期中に、原電が再稼働の同意を村や水戸市など周辺五市と県に求める可能性がある。議会や住民の意向も踏まえながら、山田修村長が判断するとみられることから、村議会がどのような態度を表明するのかが焦点になる。

◇東海村議選確定得票(定数18−候補21)

当 1,486 越智辰哉 国現

当 1,093 吉田充宏 無現

当 1,032 大名美恵子 共現

当  948 江田五六 無現

当  913 岡崎悟 公現

当  894 河野健一 無現

当  890 植木伸寿 公現

当  880 阿部功志 無現

当  870 大内則夫 無現

当  833 武部慎一 無現

当  827 三上修 無新

当  825 寺門定範 無現

当  759 恵利いつ 無現

当  686 舛井文夫 無現

当  677 鈴木昇 無現

当  674 村上孝 無現

当  648 笹嶋士郎 無現

当  640 飛田静幸 無現

   506 清宮寿子 無現

   157 根本浩志 無新

   64 羽根田省典 無新

◆「素顔」隠した賛成議員

 原電が昨年二月に、東海第二の再稼働を目指す意向を表明してから初めての村議選。各候補者が、再稼働についてどう訴えるかがポイントだった。反対する候補者は再稼働を疑問視したり、廃炉を語ったりする一方で、賛成派の多くは、直接的に再稼働を求めることを封印し、争点化を避けていた。

 「村の豊かさのためには、原子力との共存共栄が大切だ。原子力は研究、開発、利用の三つがそろっていなければならない」

 再稼働に賛成する候補者の一人は出陣式でそう力を込めた。だが、最後まで「東海第二を再稼働させる」という言葉は出ず、議論を避けているようだった。

 この候補者はまだ、原発に触れている方だが、ほとんどの賛成候補者は、言及していなかった。

 再稼働賛成の現職候補者は「住民の間では、災害や農業など日々の暮らしの問題が喫緊の課題。その中で、原発を争点化するのはどうかなと思う」と語らない理由をそう話した。他の現職の後援会幹部も「原発はシビアな問題。選挙戦で語ることで、村民を刺激したくはない」と明かした。

 本紙が選挙期間中に、再稼働の是非について、期日前投票を済ませた有権者百五十人に聞いたところ、反対が過半数を占めた。ほかの原発立地自治体に特有の原発からの恩恵よりも、事故の懸念が根強いことが浮き彫りとなった。

 そうした有権者の原発に対する懐疑的な思いが、賛成派の候補者が表立って「再稼働させる」と言いにくい背景になっていることも想像できる。

 ただ、賛成派が再稼働を推し進めるのであれば、選挙は住民に理解を求める絶好の機会だった。争点化を避けたというのは、それを放棄したに等しい。

 新議員は今後四年間の任期中に、再稼働の是非を問われる局面を迎える可能性がある。選挙で「素顔」を隠して、賛成するのは「後出しじゃんけん」という批判は免れない。 (松村真一郎)

 

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