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【茨城】

関東初、「防災家バンク」完成 小美玉で5月開業

オープンした防災家バンク小美玉研修所=いずれも小美玉市で

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 工場で組み立てて設置場所に運んでくる移動式の住宅を平常時はホテルなどで利用し、災害時には避難所や移動させて応急仮設住宅として活用できる施設「防災家バンク小美玉研修所」が小美玉市野田に完成した。移動式は昨年10月の台風19号の仮設住宅としても利用されている。手狭だという課題はあるものの、迅速に設置できたり、使い回しができたりするなどのメリットがある。 (水谷エリナ)

 移動式住宅関連の企業約四十社が加盟する日本ムービングハウス協会(北海道千歳市)によると、研修所は移動式住宅を備蓄するための拠点の位置付けで、関東では初めてという。

 研修所には約四十棟を設置。五月に営業開始の予定で、通常はホテルや事務スペースとして利用できる。災害時には、避難者を受け入れたり、解体して被災地へトレーラーで運び、仮設住宅や災害復興住宅として提供したりする。

 住宅は木造で一棟当たりの大きさは幅二・四メートル、長さ十二メートル、高さ二・八九メートルで、広さは約三十平方メートル。連結して多目的ホールやファミリー向けのコンドミニアムとしても利用できる。

 手掛けたのは協会と、開発元の「アーキビジョン21」(千歳市)で、完成に合わせ十日、オープニングセレモニーが現地で開かれた。アーキビジョン21の丹野正則社長は「こうした施設が一つでも多く普及するように頑張りたい」とあいさつ。小美玉市の島田穣一市長は「全国各地に(備蓄拠点を)設置する構想がある中で、ほかに先駆けて小美玉市に設置したのは喜ばしい」と話した。

 協会はこれまで、北海道や宮城県、長野県に備蓄拠点を設置しており、小美玉市が六番目。来月、境町にも移動式住宅を使った宿泊施設が完成する予定だ。

 移動式住宅は二〇一一年の東日本大震災をきっかけに開発が進んだ。協会は一八年の西日本豪雨や北海道胆振東部地震の被災地に提供。台風19号で被災した常陸大宮市にも九軒設置しており、計十八人が暮らす。

 メリットとして、短期間での設置ができることが挙げられる。常陸大宮市政策審議室によると、プレハブ型は建設に数カ月かかるのに対し、設置工事から二週間以内に入居者に引き渡しができたという。

 さらに、丹野社長は「建物の寿命は百年。(プレハブ型は)二年で建物を解体処分してしまうことを考えると、五十分の一の予算ですむ」と話す。清掃すれば、使い回しも可能で、断熱性や気密性、遮音性などに優れるのも特徴という。

 常陸大宮市の住宅に入居した石川イツ子さん(76)は「新しくきれいで、トイレも風呂も共用じゃないのがいい。ただ、少し狭い」と話す。息子の剛さん(45)は「(空間を仕切る)ドアがなくて、玄関から家の中が丸見えなのは気になる」と課題も指摘する。

防災家バンク小美玉研修所の客室の一例。同じ間取りが常陸大宮市の移動式仮設住宅にも活用されている

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