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【茨城】

「絶対反対」漁連訴え 福島第一原発の汚染水 海洋放出 

大井川知事(右)への要請書を読み上げる茨城沿海地区漁連の吉田彰宏専務理事(左)=県庁で

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 本県沿海の十漁協でつくる茨城沿海地区漁業協同組合連合会の役員ら約五十人が十三日、県庁を訪れ、東京電力福島第一原発で大量保管されている放射性物質のトリチウムを含む汚染水を海に捨てさせないよう、大井川和彦知事に訴えた。知事は国に働き掛けていく考えを示し、漁連役員らとともに「海洋放出、絶対反対」のシュプレヒコールを上げた。 (宮尾幹成)

 経済産業省の小委員会が十日に正式にまとめた報告書は、汚染水の処分方法について、海洋放出と大気放出が現実的な選択肢で、海洋放出の方がより確実に実施できるとしている。

 福島第一の事故後、本県沿海の漁業は、コウナゴから規制値を超える放射性セシウムが検出されたのを皮切りに市場での取引拒否に直面。計二十八魚種が出荷制限や操業自粛に追い込まれた。全魚種の規制解除には二〇一七年三月までかかった。

 ただ、放射性物質は検出されていなくても、価格の低迷や、一部の国や地域で続く輸入規制といった風評被害は残る。

 漁連の吉田彰宏専務理事が読み上げた要請書は「海洋放出することになれば、風評の再燃は必至。トリチウム以外の放射性物質が基準値を超えて残留しているとの報告もあり、新たな実害の発生が大いに懸念される」と指摘。「これまでの漁業関係者の努力を水泡に帰し、漁業の継続を断念する状況に追い込む仕打ちであり、絶対に受け入れることはできない」と強調した。

 飛田(とびた)正美代表理事会長から要請書を受け取った大井川知事は「私も皆さんと同じ気持ちだ。国に伝えていきたい」と応じた。

 知事は小委の報告書の概要が判明した一月末以来、「海洋放出を安易に結論とする報告は容認できない」などと発言していた。

 茨城沿海地区漁連には、北茨城市から神栖市にかけての平潟、大津、川尻、久慈町、久慈浜丸小、磯崎、那珂湊、大洗町、鹿島灘、はさきの十漁協が加盟。引き続き、関係市町長や国会議員らにも同様の要請を続ける考えという。

 今後は、東電や国がいつ海洋放出の正式決定に踏み切るかが焦点となる。

 磯崎、那珂湊の両漁協があるひたちなか市を含む衆院茨城4区選出の梶山弘志経産相は、四日の記者会見で「今後、地元をはじめとした関係者の意見を聞きながら、風評被害対策も含めて結論を出していきたい」と述べている。

 

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