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【茨城】

大わらじ作ったよ 鎌倉の大仏に奉納へ 台風19号被災の常陸太田・松栄町

編み上げた大わらじから余分な部分を切り取る作業を手伝う子どもたち=常陸太田市松栄町で

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 昨年10月の台風19号で多くの世帯が浸水被害を受けた常陸太田市松栄(まつざか)町で16日、地元の子どもたちが鎌倉の大仏に奉納するための「大わらじ」作りに取り組んだ。3年に1度の恒例行事で、今年は復興への願いを込めて実施。用意していた稲わらが水浸しになるアクシデントを乗り越え、この日を迎えることができた。 (宮尾幹成)

 約八十年前、地区の産業祭に出品していた大わらじを、「大仏さまに履いて行脚してもらい、日本中が幸せになるように」との思いで、地元の香仙寺と同じ浄土宗の高徳院(神奈川県鎌倉市)に奉納したのが始まり。三年ごとに作り替える伝統が続いている。

 市立郡戸(ぐんど)小の児童十六人が早朝から参加。「松栄大わらじ保存会」のメンバーらの指導で、稲わらを束ねてよったり、編み上げたわらじから余分な部分をはさみで切り取ったりする作業を手伝った。三年生の安(やす)香里奈さん(9つ)は「思ったより硬くて、手が痛くなった。大変だったけど楽しかった」と笑顔を見せた。

 昨年九月、刈り取った稲わらを天日干しする「おだがけ」まで終えていたが、十月の水害で台無しに。近隣の地区にも協力を仰ぎ、必要な量を確保できたという。保存会の島根利幸会長(59)は「地域のコミュニケーションが薄れる中、大勢で取り組む大わらじ作りは子どもたちにとっても思い出になる行事。伝統を絶やさずに済んでうれしい」と胸をなで下ろした。

 大わらじは片足だけで横九十センチ、縦百八十センチの大きさで、重さは四十五キロにもなる。大仏への奉納は三月七日を予定していたが、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大のため、延期する。

 市によると、台風19号による久慈川の氾濫で市内の家屋三百五十軒が被災。支流の浅川との合流地点に近い松栄町(二百七十八世帯)には濁流が押し寄せ、全壊十軒を含む百七十八軒の被害があった。

 

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