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【茨城】

日立市が書店誘致 ヨーカドー内に来月1日開店

「ブックマウンテン」のイメージ図(丸善ジュンク堂書店提供)

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 JR日立駅前のイトーヨーカドー日立店に三月一日、書店「丸善日立店」がオープンする。市がヨーカドーの営業継続支援を目的に誘致した。児童書の品ぞろえに力を入れ、市が同じフロアに整備した子どもの遊び場との相乗効果も狙う。 (松村真一郎)

 ヨーカドー四階の丸善日立店の売り場面積は五百三十平方メートル、蔵書数は約十万冊。子育て世帯向けには「ブックマウンテン(絵本の山)」と呼ばれる円筒形の特製書棚を設置。内外両側は絵本や児童文学が並び、ベンチも用意されている。土日祝日限定でカフェスペースも利用できる。

 人口減少などで店舗規模を縮小させてきたイトーヨーカドー日立店は撤退が取り沙汰されてきた。このため市は同店の存続と駅前の再活性化、子育て支援を目指し、昨年十月、四階フロアの三分の二を占める屋内型の子ども遊び場「Hiタッチらんど・ハレニコ!」を開設した。

 さらに市は、ハレニコを利用した親子連れを呼び込もうと、書店大手に出店を要請。「丸善」と「ジュンク堂」を運営する丸善ジュンク堂書店(東京都)が手を挙げた。県内では、水戸市の京成百貨店内の「丸善水戸京成店」に続く二店舗目。

 小川春樹市長は「駅前のにぎわい創出のために誘致を進めてきたので、多くの人に利用してほしい」と話している。

◆書店数の減少が背景に

 日立市が丸善を誘致した背景には書店数の減少がある。JR日立駅前では複数の書店が営業していたが、十年近く前にすべて閉店した。市によると、駅から最も近い書店でも徒歩で十五分ほどかかる。

 店舗型の書店は人口減やネットに押され、全国的に減少の一途をたどっている。調査会社アルメディア(東京都)の調べでは、全国の書店数は、昨年五月時点で一万一千四百四十六店。前年同期に比べて五百八十店減った。

 県内でも一七年が二百六十八店、一八年が二百六十店、一九年が二百五十一店と減少傾向だ。

 書店の消滅で地域の衰退に拍車がかかる恐れがあるが、各地とも打開策は見いだせていない。全国の書店でつくる日本書店商業組合連合会によると、今回の日立市のように、自治体が書店を誘致する事例は全国的にも珍しい。

 日立市の試みは、子育て支援と連携させた点でも注目される。書店減は活字離れも大きく作用しているからだ。文化庁が昨年、全国の十六歳以上の男女を対象に実施した調査では、「紙の本・雑誌・漫画も電子書籍も読まない」という回答が三割以上を占めた。身近に書店があれば読書習慣が身につきやすい。

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