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【茨城】

「うつぶせ寝、窒息」母親提訴 水戸のベビーホテル・女児死亡

女児の写真とともに会見に臨んだ母親=いずれも水戸市で

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 水戸市の認可外保育施設(ベビーホテル)に預けた女児が死亡したのは、施設が安全配慮を怠ったのが原因だとして、母親で中国籍の女性(45)が、施設の元経営者の男性に死亡慰謝料など約六千四百七十万円の賠償を求める訴訟を水戸地裁に起こした。水戸地裁(岡田伸太裁判長)で第一回口頭弁論が二十七日にあり、元経営者側は事実関係について争う姿勢を見せた。

 訴状によると、女性は二〇一六年七月十二日午後九時ごろ、水戸市大工町のベビーホテル「ひょうたん島」に、当時生後七カ月だった女児を預けた。

 翌十三日午前三時ごろ、迎えにいった女性の友人が、女児を元経営者から受け取ると、顔が青白くなっており、体が硬直していた。女児は、病院に搬送されたが、死亡が確認された。

 事故後の警察の調べに、元経営者が「女児はうつぶせで寝ていた」と説明していたほか、司法解剖の鑑定書で死因は特定されていないが、窒息死の可能性が指摘されていることから、原告側はうつぶせで寝ていたことによる窒息死が原因と主張。女児が預けられていた間に、元経営者が飲酒し、うつぶせの状態を放置していたと指摘する。

 これに対し、元経営者側は「うつぶせの事実はなく、女児は体調が悪かった」と反論した。次回は五月二十二日の予定。

 閉廷後、女性らが市内で会見し、「被告には反省の色が見られない。子どもを返してほしい」と、涙ながらに訴えた。

女児が死亡したベビーホテル

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◆県が指導重ねるも 再度の事故防げず

 このベビーホテルを巡っては、女児が死亡した後にも男児が死亡する事故が発生している。県は施設に対して改善指導を繰り返してきたが、事故を防げなかった。

 施設は二〇一二年八月に開所。県福祉指導課福祉監査室などが一五年度まで年に一回、施設に立ち入り調査し、保育士の資格がある職員がいない時間帯があるなど、改善点を指導してきた。

 だが、状況が改善されないことから、一六年度からは届け出事務を所管する県子ども家庭課(現・子ども未来課)が指導を担当するようになった。一六年十一月に、保育士の有資格者のさらなる確保など「是正改善報告書」の提出を指示。一八年八月には、行政処分を視野に入れて立ち入り調査を実施した。

 県が再三にわたり改善指導をしていたにもかかわらず、一八年九月には生後二カ月の男児が死亡する事故が発生。その直後、施設から県に廃止届が出された。

 男児の死亡事故を受け、県は検証委員会を設置。昨年九月に検証委がまとめた報告書では、男児はうつぶせで寝ており、被告となった元経営者を含め職員三人は全て無資格だったなどの違反もあったことが明らかとなった。

 県は施設名を公表しなかったが、検証委は再発防止のため公表するよう求めていた。それを受け、県は三月、保護者が同意すれば、問題があった施設名について公表する方針を示した。

 県によると、女児については施設側の協力が得られず、検証委を設置することができなかった。 (松村真一郎)

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