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【囲碁・将棋】

加藤千笑初段、天元戦で記録係に

天元戦第1局で記録係を務める加藤千笑初段=名古屋市東区の日本棋院中部総本部で

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 岐阜市の高校生で昨年デビューした囲碁プロ棋士の加藤千笑(ちえ)初段(18)が、十月十一日に岐阜市で開催される「第四十五期天元戦」(中日新聞社主催)の第一局で記録係を務める。難病で車いす生活を送るハンディを抱えながら、プロ一年目は新人で最多の白星を挙げた囲碁界のホープ。さらなる飛躍を目指し「トップ棋士の戦いに学びたい」と意気込んでいる。

 十三日に誕生日を迎えて十八歳になった加藤初段は、二〇一八年四月、女流棋士特別採用枠があった日本棋院関西総本部(大阪市)でプロになった。初年の成績は十五勝六敗。勝数は六人いる同期のトップで、女流棋聖戦では本戦でいきなり四強入りした。「予想以上の結果。棋士としてやってゆく自信がついた」。今年はプロを目指す院生時代から慣れ親しんだ中部総本部(名古屋市)に移籍し、心機一転して再出発した。

 生まれつき骨が弱い「骨形成不全症」で、歩くことが難しい。移動には家族の付き添いが必要だが、プロ入りを機に歩行訓練を始めたという。囲碁は海外棋戦に出場するチャンスも多い。世界に挑戦する日に備え、できるだけ一人で行動できるように努力する決意がにじむ。

 師匠の羽根直樹碁聖(43)が先月、八年ぶりに七大タイトルを奪取。自分と同じ学年の上野愛咲美女流棋聖(17)は今月、全棋士参加の棋戦で女性初の四強入りを果たした。そうしたニュースを発奮材料に、当面の目標を女流タイトル獲得に据える。「師匠と一緒にタイトルを持ちたい。上野さんとも、まだライバルと言える境遇じゃないけど、同い年なので追いつきたい」

 今期の天元戦は国民栄誉賞を受賞した井山裕太四冠(30)に、勢いがある若手の許家元(きょかげん)八段(21)が挑む。加藤初段は「前回二人が戦った碁聖戦は許先生がストレート勝ちした。今回は井山先生も気合が入っているはず」と熱戦を予想する。

 第一局は岐阜市の都ホテル岐阜長良川で。記録係は両対局者の手や消費時間を用紙に書き込みながら、インターネット中継の機器にも入力する重要な役割だ。頂上決戦を間近で見られ、若手にとっては貴重な勉強の機会だ。現地での前夜祭や大盤解説会もタイトル戦ならではの魅力。加藤初段は「雰囲気を知るのが楽しみ」と胸を躍らせる。

 (岡村淳司)

 

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