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【囲碁・将棋】

木村新王位、会心の指し回し 最年長46歳3カ月

最年長の46歳3カ月で初タイトルを獲得し、笑顔で質問に答える木村一基王位=26日夜、東京都内で

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 「究極の矛と盾」の対決は、若き第一人者の鋭い攻めを受け止めた「受け師」に軍配が上がった−。二十六日に東京都内で指し継がれた将棋の第六十期王位戦七番勝負(中日新聞社主催)の最終第七局。豊島将之前王位(29)=名人=から自身初のタイトルを奪取した木村一基新王位(46)は、こみ上げる思いを抑えて「まあ、うれしいです」と控えめに言葉をつむいだ。

 改めて振り駒が行われた最終局。先手となった豊島は初手から六十九手までほとんど時間を使わず指し進め、研究の深さを示した。二日目のこの日は長考の末の封じ手、7四桂(七十一手目)から攻めに出た。

 対する木村は7二金(七十四手目)から受けの手で時間を稼ぎ、6九角(八十四手目)と踏み込む。攻めに転じると3六金(九十二手目)から畳み掛け、中盤で自陣に打った桂を跳躍させる4五桂(百二手目)が決め手となった。

 豊島も最後の反撃に出たが、木村の2二飛(百十手目)の合駒で後手玉は詰まず、持ち時間を使い切ったところで投了した。

 木村は勝ちが近づく最終盤、控室の検討陣から「生涯の名局だ」との声が上がるほど会心の指し回し。立会人の塚田泰明九段(54)は「完璧だった。攻防のバランスが良く、4五桂をとどめに持ってきた展開といい、代表局になるだろう。豊島前王位は歩切れがたたる展開が誤算だったのでは」と振り返った。

 結果は、中日新聞ホームページでも紹介している。

◆「実力不足だった」敗れた豊島

 「第二局からの三局は序盤がさえず、第六局と本局は長考して悪い手を指すなど、実力不足でした」。タイトルを守れなかった豊島将之前王位=名人=は、率直に敗因を振り返った。

 十六歳でプロ入りしてからほぼ毎年、出身地の愛知県内で小中学生らに指導対局をしてきた。その一つが同県一宮市の「富士将棋クラブ」。この日はクラブで将棋を勉強する子どもたちも対局の中継を見守ったが、よもやの敗戦に残念がっていたという。

 クラブを主宰する尾張一宮将棋同好会会長の神田和徳さん(65)は「竜王戦などまだ他の棋戦もある。またすぐ立ち直ってくるだろうし、次の戦いに向けて応援していきます」と話した。

 (樋口薫)

 

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