東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

川崎童謡の会、四半世紀のハーモニーに幕 31日ラストコンサート

四半世紀の間、川崎童謡の会の活動を支えてきた吉井さん(左)ら事務局メンバー=中原区で

写真

 童謡を一緒に歌って触れ合いをはぐくもうと、一九九三年に結成された市民グループ「川崎童謡の会」(事務局・中原区)が、四半世紀に及ぶ活動に幕を下ろす。会の歩みとともに、スタッフも会員も年を重ねて、運営の継続が難しくなったためだ。「生きがいだから、やめないで」と惜しまれつつ、三十一日に高津市民館でラストコンサートを開く。 (石川修巳)

 「会は私のエネルギーであり、全部が財産。(終幕は)とてもつらく、悲しい決断でした」。ずっと活動を支えてきた吉井龍子(りゅうこ)さん(71)=中原区=が、万感の思いを込めて語る。

 吉井さんが、わが子の高校卒業式に出席して「仰げば尊し」を口ずさみ、「大きな声で歌うって、とても気持ちいい」と実感したのが始まりだ。その後、新聞で見つけた横浜市緑区の童謡の会に参加。「地元にも会をつくって」との声に背中を押されたという。

 そうして九三年四月の発会に向けて、「こころの歌を一緒に歌いましょう」と参加を呼びかけると、事務局の電話回線がパンクするくらいに、「みんな歌いたい、集いたいという思いで、申し込みが殺到したの」と振り返る。

 吉井さんは、中原区の市民館で開かれた発会式を取材した本紙記事を保管していた。「総勢四百人を超える会員によるスタート。どの人も子どものころを思い起こしてか、ほのぼのとした表情だった」(九三年四月十五日付東京新聞)

■会員は3000人

 「口ずさんでいる人がいたら、つられて口ずさんでしまうのが童謡の魅力。息抜きの場であったり、夫婦共通の趣味だったり、いろんな楽しみ方がある」と吉井さん。

会結成に向け、準備作業を報じた1993年当時の東京新聞記事。吉井さんが保管していた

写真

 結成当初から重ねた月一回の定例会は、昨年七月のファイナルコンサートをもって休止。その後は年四回開催する形で再始動したけれども、家庭の事情や会場費の値上げなどでスタッフの負担は重く、幕を下ろそうと決めた。ラストコンサートは、二百八十九回目の定例会になる。

 中高年の女性を中心に、これまでに登録した会員は約三千人。四半世紀の活動のうち、「ほぼ皆勤賞」の女性が欠席したのは、夫の告別式に重なった定例会の一回だけという例も。

 吉井さんは「始めたころは四十代だった私たちも、今や七十代。準備は手作業だし、荷物を運ぶだけでも大変なの」と打ち明ける。「やめないで」と惜しむ声にも感謝を込め、みんなで一緒に楽しみながら終幕を飾りたいという。

 三十一日は声楽家の安田祥子(さちこ)さん、田中俊太郎さんなどが出演。締めくくりには「卒業式」と題して、川崎童謡の会が歌い継いできた独自の愛唱歌「ちょっとお耳を」のほか、故郷(ふるさと)、遠き山に日は落ちてなどを一緒に歌う。

 吉井さんは「卒業しても、落ち着いてから同窓会ができたらいいな」とも話している。

 ラストコンサートは午後一時半開演。会場は高津区溝口の「ノクティプラザ2」十二階。前売り券は一般三千円(全席自由)。申し込みは事務局=電044(434)6417=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報