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【神奈川】

ネットで発見、購入したら… 明治期 貴重なオルガンだった

明治期にドーリング商会が輸入したオルガンの横に立つ山本社長=横浜市中区で

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 土産菓子の製造・販売「三陽物産」(横浜市中区)がインターネットオークションで見つけて購入したオルガンが、明治期に横浜の外国人居留地にあったドーリング商会が輸入した貴重なものであることが分かった。専門家によると、同商会が輸入したオルガンが国内で確認されるのは初めて。三陽物産の山本博士社長(48)は「珍しいとは思ったが唯一とは知らなかった」と驚いている。 (志村彰太)

 同商会は、ドイツでピアノ工場を営んでいたドーリングが一八八一年、居留地の一〇九番地に開業。ピアノ製造と西洋楽器の輸入をしていた。九五年に居留地内で移転し、一九一二年に廃業した。日本で最初にオルガンを製造したとされる西川虎吉が修業を積んだ会社としても知られる。

 三陽物産が購入したオルガンは、穴が開いた板を空気で振動させて音を奏でる「リードオルガン」。鍵盤の上に「輸入元 横濱(はま)百九番館 ドーリング商會(かい)」「スミス・アメリカン」と書かれた銘板が取り付けてあり、同商会の歴史に詳しい洗足学園音楽大の越懸沢(こしかけざわ)麻衣講師が、米国から輸入された物と確認した。当時はキリスト教普及の一環で、クリスマスなどのコンサートで使うためにオルガンが輸入されたという。

 同商会製のピアノは国立音楽大(東京都立川市)などに五台保存されている一方、輸入オルガンは確認できていなかった。越懸沢さんは「居留地の経済活動を伝えるだけでなく、明治期の音楽文化が感じられる貴重な史料」と指摘する。

 オルガンは、岐阜県下呂市の古物商が二月にネットオークションに出品。三陽商会は直接交渉して七万五千円で購入し、業者に修復してもらった後、社内の会議室に置いている。山本社長は「開港間もない頃のロマンが感じられる。クリスマス時期にコンサートを開くなどして魅力を伝えていきたい」としている。

 

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