東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

<元気人@かながわ> 「個」に合うリハビリ 「風の谷プロジェクト」代表・長谷川由理さん(33歳)

写真

 海に近い三浦市の住宅街で、体が不自由になったお年寄りらがリハビリを行うデイサービス施設などを運営する。従業員約十五人の小所帯。自らも現場に立ち、送迎車を運転する。多忙な日々にも「リハビリの力で地域を元気にできれば」と意気込む。

■高校時代の挫折

 福祉の仕事に携わるきっかけは、高校時代の挫折。バスケットボール部に所属していた高一の夏、足のけがでチームを離れた。理学療法士とリハビリに取り組んだが、思うように効果が出ず復帰を断念した。「けがや障害でやりたいことを諦めずに済むよう、手助けできる人になりたい」。悔しさをバネに、大学で理学療法士の国家資格を取得。六年間の病院勤務を経て、独立した。

 利用者目線に立つことを大切にする。「全体で体操して終わり、ではなく、ストレッチから体力向上の訓練まで一人一人に合わせてメニューをつくる」。なるべく「介護されている」と意識しなくていいように、手すり付きのいすの代わりにソファを置くなど工夫を凝らす。

 発想の原点は、寝たきりになっても施設に入らず、自宅で療養を続けた祖母。「住み慣れた自宅で家族にみとられ、みんなで『良かった』と喜んだ」。ただ、デイサービスに行きたがらなかったのが気掛かりだった。「お風呂に入ってご飯を食べるだけのような所を嫌がった。体が不自由になっても人にはプライドがある。『個』を大事にする施設にしたかった」と話す。

■街を生き生きと

 社名の由来は、ジブリ映画「風の谷のナウシカ」。「作品に出てくる街のように、お年寄りも含めみんなが役割を持ち、元気に暮らす街をつくりたい」との思いを込めている。

 実現に向けて昨年末、地域に開放したカフェをオープン。利用者の社会参加のきっかけをつくるのが狙いで、この夏には、難病で利き手の右手が使えなくなり、好きな絵を諦めていた男性がリハビリの一環で左手で描いた絵画の展覧会を開いた。「個展という目標を実現させてあげられて、うれしかった」とほほ笑む。

 この地で起業して四年。「三浦は独居老人、高齢世帯が多い。誰もがなるべく最期まで生き生きと暮らせるよう支援していきたい」と語った。 (福田真悟)

◆私の履歴書

1985年6月 横浜市港北区に生まれる

2008年3月 県立保健福祉大(横須賀市)リハビリテーション学科を卒業

     4月 横浜市鶴見区の総合病院で理学療法士として働き始める

 14年8月 リハビリ施設などを運営する「風の谷プロジェクト」を設立し社長に就任

 15年1月 三浦市岬陽町に通所施設「風の谷リハビリデイサービス」をオープン

 17年12月 コミュニティーカフェ「風の珈琲」を自社の通所介護施設に併設して開く

 18年6〜7月 カフェでリハビリ患者の絵画展を開催

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報