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【神奈川】

平塚共済病院の乳がん患者 湯河原温泉で旅館貸し切りツアー

温泉旅館で風船割りゲームを楽しむ参加者=湯河原町で

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 平塚共済病院(平塚市)に通院している乳がん患者が温泉旅館を一泊貸し切るツアーが二十四、二十五日、湯河原温泉(湯河原町)で行われた。手術の傷痕を気にして温泉を控える女性のため、「湯河原温泉おかみの会」と病院側が協力し、二年前に始まった。三回目の今年は病院関係者二人を含め十六人が宿泊した。 (西岡聖雄)

 企画したのは、同病院乳がん情報提供室の吉田久美さん(51)。自身も乳がん患者で、「患者を支えることで自分も頑張れる」とサポートしている。「患者に寄り添いたい」と病院の看護師も一人参加した。

 一行は町内観光の後、魚料理が有名な「温泉やど うおき」に宿泊し、二つの大浴場と、露天風呂を堪能した。初参加の女性(72)は「三年前の手術後、温泉は初めて。みんなとおしゃべりしながら入浴でき、気持ちが軽くなった。本当に良かった」と喜んでいた。

 吉田さんによると、手術痕を隠せる入浴着を持参した女性もいたが、貸し切りのため着用せず、傷痕を見せ合っていたという。病院から谷和行・外科統括部長(56)も懇親会に駆けつけ、自作のスライドを上映。肥満や喫煙は乳がんの再発、死亡リスクを高め、運動するとリスクが減ることをユーモア交じりに訴えた。「大量に飲まない限り、飲酒はリスクの増減にあまり関係ない」と話すと、夕食でワインやビールなどを飲んだ患者たちから「安心した」と拍手が起きた。

 谷医師は取材に「患者の孤立感や不安をなくし、本心を知るコミュニケーション上も貴重なツアー。こうした取り組みは少ないので、もっと広まってほしい」と語った。患者たちは大広間でゲームをした後、未明まで部屋で語り明かしたという。

 おかみの会は十月、「入浴着を利用できる施設」であることを周知する説明文を加盟二十六館の全客室に備えた。今年四月から会長を務める、うおきの苅谷和美さん(47)は「湯河原温泉は中小の宿が多く、貸し切りなどの要望にも応えやすい。乳がん患者の女性らも入浴しやすい温泉地にしたい」と語った。

 

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