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【神奈川】

「蔵」再生 三浦で市民グループ取り組み 第1弾のオフィスが完成

蔵を活用した飲食店が並ぶ三崎の商店街=いずれも三浦市で

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 使われずに放置されている古い蔵を改装し、オフィスなどとして再生する市民グループの取り組みが、三浦市で始まった。「蔵プロジェクト」と銘打ち、同市三崎の商店街を中心に歴史的な景観の保全と、街の活性化を目指す。 (福田真悟)

 手掛けるのは、移住希望者を支援する商店主らでつくる「ミサキステイル」。メンバーはそれぞれのネットワークを使い、蔵を中心とする趣のある古い建物の情報を仕入れ、再生の仕方を所有者と相談する。

 舞台となる三崎は、昔から商店や住居が所狭しと立ち並ぶ一方、海に近くて風が強く、明治〜大正時代には数百戸が一度に燃える大火が繰り返されてきた。市内で不動産業を営むメンバーの岩野孝一さん(43)は「壁が厚く燃えにくい構造の蔵が点在しているのは、歴史的な背景がある」と説く。

 プロジェクト第一弾は、数年前まで鉄工所として使われていた築七十年以上の木造二階建ての石蔵。商店街の奥まった路地にあり、岩野さんが昨年十二月に買い取った。「台風で老朽化した壁や瓦の一部が崩れ落ち、近隣住民から苦情が寄せられ、所有者が扱いに困っていた」。業者に頼み、外壁や瓦を補修し、床を張り替えるなどした。壁のメモ書きや鉄のさびなど独特の味わいは残し、今月二十九日から自らの事務所として使う。

 近年のレトロブームで、古さを生かしたリフォーム物件は人気だ。三崎でも、観光客が多い表通りの蔵造りの建物が雑貨店や飲食店に生まれ変わる一方、車の通れない路地などでは放置されるケースも目立つ。

 「店として立地が悪くても、クリエーターやIT系など場所を選ばない仕事のオフィスなら使える」と岩野さん。ほかにも数件、再生を進めている物件がある。「蔵などは取り壊されたら、今の時代、もう二度と作れない。古さの魅力を知ってもらえるよう、積極的に活動したい」と語った。

 第一弾の完成を記念し、岩野さんの新事務所で来月三日午後四時半から、オープニングイベントを開く。参加無料。問い合わせは、岩野さん=電090(4067)4217=へ。

「蔵プロジェクト」第1弾の石蔵を紹介する岩野さん

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