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【神奈川】

市と川崎信金など、M&A仲介サイト会社と協定 後継ぎ不在の廃業させない

協定を結んだアンドビズの大山社長(左から2人目)ら=市役所で

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 後継ぎ不在による川崎市内の中小企業の廃業を食い止めようと、市と川崎信用金庫、川崎商工会議所、市産業振興財団は、中小企業の合併・買収(M&A)を仲介するインターネットサイトを運営する「アンドビズ」(東京都千代田区)と協定を結んだ。第三者への会社譲渡を希望する市内企業をアンドビズに紹介し、廃業せずに企業として存続させることを促す。 (大平樹)

 市によると、信用調査会社の調査では、二〇一七年に休廃業した市内の企業は百五十三社だった。すべてが後継ぎ不在による休廃業とは限らないが、経営不振などによる倒産の九十社より多かった。

 総務省の調査では二五年ごろまでに、中小企業の経営者で七十歳を超える人は、全国で二百四十五万人に上り、このうち約半数は後継者が決まらず廃業の危機に陥るという。

 協定では、市内の中小企業診断士や税理士らをアンドビズに紹介し、一年間で十五人程度を会社譲渡の専門家として育成する。経営者が廃業前に会社譲渡を検討できるよう、啓発セミナーも開催する。譲渡を希望する経営者には同社のサイト「バトンズ」を紹介して、買い手とのマッチングが年間五件程度成立するのを目指す。

 経営者の中には、金融機関から事業継続の信用性を疑われることを不安視し、後継者不在を明らかにしたがらない人もいるという。市役所で会見した福田紀彦市長は「市内の倒産件数は減っているが、休廃業は増えている。経営者として後継者の不在は明らかにしづらい。潜在的に危機があるものの、具体的に考えられない経営者もいる」と話した。

 川崎信金の草壁悟朗理事長も「(後継者不在による廃業を)止めるべきなのははっきりしているが、現場を回っても雲をつかむような感じだ」と語り、経営者側の実態把握が困難な実情を打ち明けた。

 会見に同席したアンドビズの大山敬義社長は「技術力がある中小の製造業が多いのが川崎市の特徴だ」と分析した。専門的な技術や複雑な機械を持っている会社もあるため、譲渡時に整理が必要な課題が多岐にわたることもあるという。地元の事情に詳しい専門家を育てることで、スムーズな会社譲渡につなげる考えだ。同社が地方自治体と協定を結ぶのは初めてで、他の自治体からも問い合わせがあるといい、大山社長は「川崎方式として全国に広げたい」と意気込みを語った。

 

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