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【神奈川】

花開く子ども探検メニュー 小田原フラワーガーデン

課題植物を探す親子に人気の温室=小田原市で

写真

 小田原市の植物園「小田原フラワーガーデン」が、温室を“探検”するメニューで子どもの常連客を増やしている。2012年の開始から子どもの入園者数は4倍になった。植物園では珍しい現象というが、その理由は? (西岡聖雄)

 「全部できたよ」。温室から出てきた子どもの目は輝いていた。

 温室は直径40メートル、高さ22メートルのドーム型。室内の温度は1年中を通して22度に保たれ、鳥の鳴き声が響くと、ジャングルのよう。熱帯のカラフルな花のほか、内臓に似たグロテスクな花、悪魔の花と呼ばれる黒い花、宇宙人ぽい奇妙な植物を含め、300種が生い茂る。

 探検メニューは、入り口で隊員証と謎の女性植物学者からの指示を受け取り始まる。「写真と同じ9種の花や実を見つけよ」などの任務を果たすと隊員証にスタンプを押してもらえる。初挑戦した秦野市の小学3年大塚こももちゃん(8つ)は「探すのは難しいけど楽しい。実をつけたパイナップルの木も初めて見た」と喜んでいた。

 スタンプを5個集めると、一つ上のクラスに昇格する。新しい隊員証がもらえ、与えられる任務の難易度も上がる。3回昇格すると「正隊員」になる。植物学者の助手として植物の写真を自分で撮り、紹介リポートも書く。リポートは館内に掲示され、達成感をくすぐる。

 1万2000人近い隊員のうち正隊員は約160人。このうち松田町の小学4年西條桃重ちゃん(10)は「1年生のころは、たまに来るだけだったが、今は毎週来ている。答え探しが楽しみ。将来はここで働きたい」と、すっかり夢中だ。

◆温室で課題植物探せ!

 探検メニューを考案したのは、2011年に園の指定管理者となった西武造園など3社の女性職員たち。来客の半数が入園無料の高齢者という事態を打開しようと、子どもを増やす方策を練った。「動く物を好む子どもの心を植物でどうつかむか。謎、ゲーム感覚、スタンプ、達成感などをキーワードに知恵を絞った」。その1人だった八木量子園長(31)は振り返る。

 効果はすぐに現れた。子どもの入園者数は15年度に5000人台に乗り、市の直営時代の4倍になった。子どもと一緒に親も来園するため、有料入園者は5万人を超え2.6倍になり、入園料収入は3倍になった。無料入園者(高齢者と未就学児)を含む全体では年25万人と倍増した。

 入園者が減る冬の夕暮れは夜に葉を閉じる植物などを探す探検を用意。養蜂体験、レモンが甘くなるミラクルフルーツを食べる企画も導入した。今後は、カップルや高齢者にも楽しんでもらえるように、屋外のバラ園や梅林を使ったメニューも考えるという。

 温室入園料は大人200円、小中学生100円。25日まで秋のローズフェスタを開いている。

 

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