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【神奈川】

横須賀に芸術村を 老朽化した市営住宅 改修・再利用

床に使う木材を切る作業に取り組む薬王寺さん(右)と学生たち=横須賀市で

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 使わなくなった市営住宅を改修して芸術家を誘致する取り組みを、横須賀市が始めた。住居や創作スペースを整備する費用を市が負担した上で、創作体験教室などの交流イベントを定期的に開いてもらい、地域活性化につなげたい考えだ。 (福田真悟)

 JR田浦駅から南に歩いて二十分ほど。木々が生い茂る谷筋の住宅街の一角に、古びた長屋が密集している。一九六〇年ごろに建てられ、老朽化で数年前に廃止された「市営温泉谷戸住宅」。住民の退去後、取り壊しを進めていたが、複数の芸術家が暮らす「アーティスト村」の創設を目指し、七棟十八戸を残すことになった。本年度は一千万円を予算に計上している。

 初めての入居者は横浜市南区の陶芸家、薬王寺太一さん(43)。横須賀美術協会の推薦を受けて市が移住を打診し、先月、長屋三戸分のスペースに賃貸契約を結んで入居することが決まった。

 間伐材で火をおこして土器を焼くなど、自然の力や循環を大事なテーマに据えており、「豊かな自然環境が創作意欲を育んでくれそうで、一目ぼれした。地域住民と協力し、この地でしかできない創作活動をしたい」と意気込む。

 現在、今月下旬の居住開始に向け、居室と教室兼工房に改修する作業が進んでいる。市と連携協定を結ぶ関東学院大の学生も、ボランティアで参加。七日は約二十人が地元の大工の指導を受けながら、電気工具で木材を切るなどし、床の張り替えに取り組んだ。

 市内では、道が狭く移動が不便な丘陵地の「谷戸」と呼ばれるエリアを中心に、空き家の増加や高齢化が深刻化している。市の担当者は「取り組みを始めた地域を活性化するとともに、アートを柱に据えた特色ある街づくりのモデルケースになれば」と話している。

 

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