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【神奈川】

富士噴火 足柄平野に影響 迫られる火山灰対策 小田原でシンポ

富士山の噴火対策が話し合われたシンポジウム=小田原市で

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 富士山が噴火した場合の足柄平野への影響を考えるシンポジウムが十一日、小田原市で開かれ、市民ら二百五十人が参加した。前回の宝永噴火(一七〇七年)並みの降灰量だと、平野を流れる酒匂川に豪雨のたびに火山灰が流れ込んで川底を上げ、長期にわたり水害リスクが高まるという。

 市民団体「富士山と酒匂川流域 噴火と減災を考える会」が主催。基調講演で砂防・地すべり技術センターの南哲行理事長は「雨は土中に浸透するが、水を通しにくい火山灰が積もるとすぐに川に流れる。噴火後の雨で一気に水位が上がる」と指摘。「特に箱根外輪山に降灰すれば、少雨でも土砂災害が起きる恐れがあり対策が必要」と訴えた。

 火山灰の重さは湿った雪の十倍あり、山が崩れやすくなって大量の土砂や流木が川に流れ込む。宝永噴火時、酒匂川上流部の降灰は二メートル前後に達し、復旧に百年以上かかった。

 加藤憲一市長は「箱根外輪山は人工林が多く、山が脆弱(ぜいじゃく)といわれている。酒匂川に下るいくつもの沢筋から大量の土砂や流木が押し寄せる対策が重要」と語った。県西土木事務所の横溝博之所長は、氾濫危険情報の緊急速報メール導入などの取り組みを説明した。

 国土交通省の広瀬昌由・河川計画課長は「宝永噴火は宝永地震の四十九日後に起きた。東海、東南海・南海地震の切迫性から、国も富士山の噴火対策を検討している」と報告。「南海トラフで地震が起きると東日本大震災の五倍のがれきが出る。噴火の降灰量はさらにその何倍にもなる。これらの処分方法を考えねばならない」と述べた。

 酒匂川は横浜や川崎、横須賀市方面の飲料水の30〜50%を担う。同会は防災力が高まるよう、二級河川から、国が管理する一級河川への格上げを求める活動を進めるという。 (西岡聖雄)

 

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