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【神奈川】

<2018かながわ 取材ノートから> (4)米軍基地問題

新司令部の駐留も始まった相模総合補給廠=相模原市中央区で(本社ヘリ「あさづる」から)

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 「米軍の運用に関わる話なので答えられない」。八月に県央地区の六市一町一村を担当する相模原通信局に赴任して以来、国や米軍を取材していて何度も耳にした言葉だ。明らかになる情報が少なく、住民が不安を抱えながら日々、過ごしていることを実感した。

 新たな懸念材料も浮上した。十月、米陸軍相模総合補給廠(しょう)(相模原市)で、国内三基地(沖縄、青森、京都)のミサイル防衛部隊を指揮する新司令部の駐留が始まった。将来的には、高高度防衛ミサイル(THAAD)を備えるグアムの部隊も配下に収める見通しという。市は全面返還を求めて長年訴えてきただけに、地元は「補給廠の恒久化につながる。有事の際には攻撃対象になり、住民の脅威も増す」と憤った。

 補給廠は、戦地で扱う物資を保管する兵站(へいたん)基地。戦闘部隊を指揮する司令部ができるのは異例との見方もあり、狙いは判然としない。日本と日本人が、米軍が訓練やイベントなどの際にあいさつで使うおきまりのフレーズ「良き隣人」であるというのなら、説明をする責任があるだろう。

 空母艦載機約六十機の岩国基地(山口県)への移駐が三月に完了した米海軍厚木基地(大和市、綾瀬市)でも、周辺住民の苦悩が解消されたとは言いがたい。

 一〇〇デシベル(電車のガード下に相当)以上の騒音は約九割減った一方、トラブルが相次いだ。七月に離陸直後のヘリが窓を基地内に落下させ、十月には同基地所属のヘリが空母の甲板に墜落した。住民は「いつ近くで同じような事故があるか分からない。いつまで負担を強いられるのか」と吐露する。

 同基地周辺では一九六四年、鉄工所に米軍機が墜落して五人が死亡、七七年にも幼い子ども二人と母親が犠牲になる事故が起きている。住民の不安をなくすために、米軍は再発防止策を講じるのに加えて、より詳細な情報を明らかにしていく姿勢を示すべきではないか。(曽田晋太郎)=おわり

 

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