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【神奈川】

新百合ケ丘駅へ市営地下鉄延伸 「経済活性化の大きな弾み」

市営地下鉄ブルーラインの延伸を発表し、握手する林市長(左)と福田・川崎市長=横浜市役所で

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 横浜市営地下鉄ブルーラインの新百合ケ丘駅(川崎市麻生区)への延伸は、横浜市が初めて事業化を目指してから四十年近く過ぎて実現に向けて大きな一歩を踏み出した。二十三日に二〇三〇年開業を目指して事業を進めると発表した、横浜、川崎両市の市長は共同会見で「市民の利便性向上と地域活性化が期待できる」と胸を張った。(加藤益丈)

 あざみ野駅(横浜市青葉区)−新百合ケ丘駅間の延伸計画が横浜市の総合計画で初めて示されたのは一九八一年。二〇〇〇年に国の審議会で整備に前向きな答申が出て、一一年からは両市が事業化に向けて協議を進めてきた。

 事業費を両市でどう負担するかが最大の課題だったが、約四百三十億円と見込む両市の補助金を半分ずつ負担することで合意。延伸区間の距離が両市でほぼ同じで、新駅の数も二駅ずつだったことを考慮した。

 川崎市の福田紀彦市長は「市北部の利便性向上や地域活性化の効果が期待できる」と事業の効果を強調。「お互いが受けるメリットを勘案して一対一があるべき形」と述べた。

 今回、明らかになった新駅の建設予定地は、横浜市内では、あざみ野駅の西約一・五キロの横浜市青葉区の市道嶮山(けんざん)交差点付近と川崎市との市境の同区すすき野付近。川崎市内は新百合ケ丘駅南口付近のほか、▽市営スポーツ施設「ヨネッティー王禅寺」付近の東側ルート▽王禅寺公園付近の中央ルート▽麻生区白山付近の西側ルート−の三案が示された。現時点では東側ルートが有力とし、来年度中に正式に決める。

 総事業費はルートにより幅があり、千六百九十億〜千七百六十億円。新たに一日当たり八万人が利用するとの需要予測を元に、二十五〜三十年で累積赤字は解消できると試算した。横浜市の林文子市長は「経済活性化の大きな弾みになる。費用対効果について注意深く検討し、問題ないと判断した」と語った。

◆「交通の便良くなり文化がさらに発展」

<新百合ケ丘駅を中心に情報発信しているフリーペーパー「MiSMO(ミスモ)」の牧淑子編集長の話>

 新百合ケ丘駅周辺は昭和音大があり、町にいながらオペラやクラシックコンサートが鑑賞できるなど、文化的な要素がたくさんあります。交通の便が良くなることで、文化がさらに発展するでしょう。

 小田急線と東急田園都市線が結ばれることで、東西の人の流れに、横浜方面への南北の流れが加わる。駅がどこにできるかなど、商売をされている方から問い合わせもたくさんいただいています。家の前が新しい駅になれば、住宅街も変化する。住み替えも起きるでしょう。

◆地域住民に歓迎と懸念

 横浜市営地下鉄の延伸計画をめぐっては、新百合ケ丘駅やあざみ野駅を日ごろ利用する地域住民から「便利になる」といった歓迎の声が上がる一方、「街並みが変わってしまう」などと懸念する声も聞かれる。

 月に三、四回、大阪方面に出張するため新横浜駅から新幹線に乗るという川崎市麻生区千代ケ丘の自営業池田善博さん(48)は、小田急線で新百合ケ丘駅から町田駅に出て、JR横浜線で新横浜駅に向かう。

 「新百合ケ丘で朝一番の電車に乗りますが、早朝のこの時間帯、横浜線はあまり走っていないので移動に時間がかかる。連絡がよければ乗れるはずの新幹線ののぞみを利用できない。JR町田駅のホームで長時間待たされ怒っている人をよく目にします。別の移動手段がないか悩んでいたので、新百合ケ丘から新横浜まで一本で行けるのは夢のよう」と喜ぶ。

 また、新百合ケ丘駅とあざみ野駅の中間に自宅があるという横浜市青葉区もみの木台の主婦叶井(かない)裕子さん(53)は「どちらの駅を利用するときもバスで駅まで移動しますが、朝夕は学生で満員になり、乗せてもらえないこともあります。特に雨の日は混むので大変です」と話し、両駅をつなぐ地下鉄が整備され、その中間駅が設けられることに期待を寄せる。

 叶井さんは、映画館などがあり、食事できるところも多い新百合ケ丘駅周辺をよく利用するそうだが「バスの最終便の時間を考えるとゆっくりできません。地下鉄ができれば、終電も遅い時間になると思うのでありがたい」と歓迎しながらも「自宅周辺は静かで自然も多く、古くて大きな家がたくさんある。近くに駅ができれば、街並みが変わってしまう。どうなるか期待と心配が重なっています」。

 あざみ野駅から新百合ケ丘駅行きのバスを利用するという川崎市宮前区の柳迫(やなぎさこ)栄子さん(77)は、新百合ケ丘にはなじみの店もあり「食事や買い物に行く。便利になると思う」と話し、横浜市青葉区の七十代の女性は「小田急線につながるから箱根や新宿に行くのにいずれ利用したい」と語っている。(安田栄治、福浦未乃理)

 

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