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【神奈川】

ありがとう、ミカ 聖マリ病院初代「勤務犬」の引退式

引退するミカ=宮前区の聖マリアンナ医大病院で

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 入院患者の治療やリハビリに動物が寄り添うことで闘病意欲を高める動物介在療法を行っている聖マリアンナ医科大学病院(川崎市宮前区)で1月31日、主役として働いてきた初代「勤務犬」の引退式が行われ、出席者たちが労をねぎらった。 (安田栄治)

 この犬はスタンダードプードルの「ミカ」(八歳、オス)。二〇一三年、スウェーデンから来日した。日本介助犬協会(横浜市)で訓練を受けていたが、真っ黒な巻き毛に愛くるしい瞳、なでてと言わんばかりの人懐っこさが見込まれ、一五年四月から勤務犬に。週二回、協会から病院に派遣され、患者を癒やしてきた。

 病院でミカの面倒をみる初代ハンドラー(調教師)は、小児外科の長江秀樹医師と看護師長の佐野政子さん。長江さんによると、ミカが来院したのは昨年十二月末までに約二百回。病棟でベッドサイドまで行ったのは計千三百回を超えた。

 ミカは手術を怖がる子どもを勇気づけるため手術室まで入り、麻酔が効くまで寄り添った。また、高齢の患者はリハビリでミカに触ろうと、あと一歩、あと一歩、と歩くことに意欲を見せた。入院中のある女性はミカのおかげで笑顔を取り戻し、大部屋の他の患者や看護師らと打ち解けるようになったという。

 長江医師は「ミカの仕事は、ただ寄り添うこと。それは患者に笑顔と元気を与え、周囲に希望を与える。ミカを通じて医療の本質を気付かせてもらった」と話す。

 高齢のため退くことになったが、引退式には、愛くるしいしぐさに励まされた元患者の子どもたちや家族、医師、職員ら約二百五十人が出席。病気を克服した子どもたちからのビデオレターが放映され「つらいときにいつもいっしょにいてくれてありがとう。ずっとずっと友だちだよ」といったメッセージが伝えられた。

 この日、ミカのおいで白色のスタンダードプードル「モリス」(三歳、オス)が二代目の勤務犬に任命された。ハンドラーは看護師の竹田志津代さんと大泉奈々さん。竹田さんは「ミカによる動物介在療法はたくさんの奇跡を起こした。さらに効果的な方法を見いだすため、モリスの活動が大切になります」と話していた。

 

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