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【神奈川】

商品化目指せ「鎌倉海藻ポーク」 料理教室主宰する矢野ふき子さん発案

飼料として袋詰めされた海藻を手にする矢野さん=鎌倉市で

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 鎌倉の海岸に大量に打ち上がる海藻を使った餌で豚を育て、「鎌倉海藻ポーク」として商品化する挑戦が始まった。海藻の回収から乾燥、粉砕、袋詰めまでの作業は、市内の障害者らが担う。関係者は「地域に根ざした新たな豚肉として、学校給食など食育に使ってもらえたら」と夢を広げている。 (北爪三記)

 市内で料理教室を主宰する矢野ふき子さん(50)が発案した。海岸に流れ着く海藻のほとんどは、使い道なく処分されていると知ったのがきっかけだ。

 相模湾の海岸清掃に取り組む「かながわ海岸美化財団」(茅ケ崎市)によると、県内に漂着する海藻の七割以上は鎌倉市に集中する。沖合がカジメやアラメなどの藻場になっているためといい、その量は年平均三千百トンに上る。

 矢野さんは「豚の餌に活用できるのでは」と考え、県畜産技術センターに相談し、養豚場「臼井農産」(厚木市)を紹介してもらった。海藻を飼料にする仕事が障害のある人たちの社会参加に役立てばと、鎌倉市の障害者福祉サービス事業所に呼び掛け、三カ所が手を挙げてくれた。

 臼井農産で昨年九月、試験飼育をスタート。経営する臼井欽一さんは「海藻はミネラルが豊富なので、肉の味わいが深くなるのではないか」と期待する。海藻飼料の配合割合や肉の味などを見極め、「鎌倉海藻ポーク」として鎌倉市で五月のテスト販売を目指す。

 協力する事業所のうち、生活介護事業所「わんびぃさん」の場合、利用者たちは週一回、海岸で海藻を拾う。洗って乾燥させ、布の袋に入れて踏んだり、めん棒などでたたいたりして砕き、ふるいにかけて百グラムずつ袋詰めする。施設長の小野垣理(まさ)さん(38)は「利用者の新たな収入になる上、体を動かすこともできる。何より地域とのつながりをつくれることがありがたい。一石三鳥です」と喜ぶ。

 海藻の飼料化は、女性の優れたアイデアの商品化を県が支援する本年度の「なでしこの芽」に選ばれた。

 農林水産省の六次産業化事業の認定を目標に奔走する矢野さんは「協力してもらう事業所をもっと広げ、いずれは各事業所で販売したり、散歩する市民が海藻を拾って事業所に届けたりして、みんなが参加できる取り組みになれば」と、未来像を思い描いている。

 

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