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【神奈川】

再接種、陳情実り助成 小児がん 治療でワクチン抗体消失

ワクチン再接種の費用助成が盛り込まれた川崎市の2019年度予算案

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 川崎市は、がん治療の影響で予防接種ワクチンの抗体が失われた子どもたちを対象に、二〇一九年度から再接種費用の助成を新たに始める。小児がん患者の母親(41)は「長くつらい治療を乗り越えても、再接種して抗体を獲得しなければ、子どもらしい当たり前の生活すら、ちゅうちょしないといけない」と語り、費用助成を求めて市議会に陳情していた。 (石川修巳)

 市によると、がん治療に伴う骨髄移植などの影響で、小児向け定期予防接種のワクチンを再接種する必要がある二十歳未満を対象に、費用の全額を助成する。一九年度予算案に関連経費約四百万円を計上し、四月から実施する方向で調整している。

 再接種が必要なのは、治療前に受けた予防接種の効果が期待できないケースだ。そのままでは感染症にかかるリスクが高まってしまうという。

 麻疹・風疹ワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチンなどの定期予防接種は公費で賄われる一方、再接種は対象外で、すべて自己負担になる。再接種には二十万〜三十万円かかるとされ、小児がん患者の家族から「高額な自己負担は再接種の大きな障壁」との声が出ていた。

 市内では昨年九月、患者の母が千二百四十二人の賛同署名を添えて、助成を求める陳情書を市議会に提出。この陳情が常任委員会で全会一致で採択されたのに加え、市議会側も十二月、再接種制度を整備するよう国に求める意見書を可決した。

 陳情者の長男が小学一年の時、難治性の小児がんが見つかった。現在は復学しているが、医師から「抗体は残っていないと思う」との説明を受けており、人混みを避けて生活しているという。

 市の助成方針に対し、母親は「心配事が多いので、とても助かります。数は少なくても、小児がんの患者や家族の助けになることなので、願いがかなって本当によかった」と話している。

 

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