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【神奈川】

19年度 県予算案 「未病改善」など看板継続

予算案を発表する黒岩知事=県庁で

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 県は八日、二〇一九年度当初予算案を発表した。四月七日投開票の知事選を見据えて新規事業を少なくしたことから、新味に乏しい内容になった。ただ、病気になる前から対策を取る「未病改善」など、黒岩祐治知事の看板政策の継続が目立ち、骨格予算ながら黒岩県政の色が強くにじんだ。十三日開会の県議会定例会に提出する。(志村彰太)

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 未病関連では、微妙な体調の変化を最先端技術で計測し、科学的に分析可能にする「未病指標」の開発や、国民健康保険の医療費の解析と健康改善事業の立案など前年度に開始した事業を続行する。黒岩知事は「県民生活に影響するので、中断するわけにはいかない」と話した。

 二〇一六年七月の津久井やまゆり園での障害者殺傷事件を受け、障害の有無にかかわらず認め合う「ともに生きる社会」実現に向けた施策も続ける。現場の千木良(相模原市緑区)と仮入居先の芹が谷(横浜市港南区)の両園舎の建て替えに着手。一七年度に始めたイベント「みんなあつまれ」も継続する。啓発講座を開こうとする企業や学生団体などに障害者団体を紹介する専用ウェブサイトも設立し、PRに力を注ぐ。

 今年のラグビーワールドカップ(W杯)、来年の東京五輪・パラリンピック関連では準備が本格化。江の島で開かれるセーリングに向けて一般のヨットなどを移動させたり、聖火リレーのコースとランナーの選定をしたりする。

 わずかながら新規事業も盛り込んだ。これまで妊娠を望む女性パートナーがいる場合に限定していた風疹の無料抗体検査が受けられる対象を、三十一〜六十歳の男性は制限をなくした。支援が手薄だった視覚と聴覚の両方に障害がある人の相談窓口「盲ろう者支援センター(仮称)」の開設費用も計上した。

 高齢化が進む団地の活性化と耕作放棄地対策を両立させる取り組みも始める。県住宅供給公社の二宮団地の住民に研修を受けさせ、農作業の担い手になってもらう。

 黒岩知事は「骨格予算とはいえ、骨太の予算になった」と語った。

◆赤字県債は発行せず 会計総額は初の4兆円超え

 県の新年度当初予算案は、統一地方選と参院選の対応や国が始める幼児教育・保育の無償化などで費用がかさみ、一般会計は一兆八千二百九十九億円(前年度比0・2%減)に膨らんだ。特別会計と企業会計を加えた総額は四兆百五十五億円(同0・7%増)で初めて四兆円を超えた。

 歳入は、新年度から教職員の給与を政令市に移譲するため二百二十七億円減になる一方、十月に予定される消費税増税と、企業業績拡大による法人事業税の増加などで一兆千八百五十三億円(同0・4%増)の県税収入を見込む。地方特例交付金は幼児教育・保育の費用が国から支給されるため、前年度比四倍超の百四十一億円となった。

 借金に当たる県債は、公共投資以外が目的の「赤字県債」の発行を三年ぶりになくし、千五百八十二億円(同15・5%減)にとどめた。金融危機「リーマン・ショック」後の二〇〇九年度に大量発行した県債が償還時期を迎え、公債費は二千九百七十九億円(同2・7%増)。県債発行残高は五年連続で減少し、三兆三千四百二十二億円となる見込み。

 歳出のうち、人件費や介護・医療・児童関係費などの「義務的経費」が占める割合は82・1%と前年度から0・4ポイント増加。新規事業を抑えて政策的経費が圧縮されたことや、幼児教育・保育無償化と選挙の費用が含まれることが原因で「実質的には前年度と横ばい」(県財政課)という。

 新知事が独自事業に割くために留保した財源は五十億〜百億円にすぎず、義務的経費の割合は八年連続で八割を超える。厳しい財政状況に変わりなく、黒岩知事は「少子高齢化の中で(義務的経費が)増えるのはやむを得ない。企業誘致を通して税収を増やしたい」と話した。

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