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【神奈川】

74カ所のベンチ、すっきり 鎌倉を美しくする会 15年の活動を終了

設置したベンチを前に立つ高田さん(左)と藤井さん=鎌倉市で

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 鎌倉市内のバス停に無断で置かれた広告付きのベンチを、市民らから集めた寄付で購入したベンチに置き換える活動が今春、終了した。約15年にわたって実施してきたのは市内の環境美化に取り組む市民グループ「鎌倉を美しくする会」。「まちの景観の質を高めたい」との思いから設置したのは、74カ所82台に上るという。 (北爪三記)

 「広告ベンチは今、ゼロとは言えないけど、新しいベンチを置けるところには置いた。達成感があります」。三月いっぱいで設置活動を終えた会の代表高田晶子さん(82)が、晴れ晴れした表情で話す。

 会は一九八八年、市民有志約四十人で発足。当時はまちのあちこちに、空き缶などのごみが目立っていた。会は、プルタブが容器から離れない「ステイオンタブ」を飲料メーカーに要望したり、市内の環境団体に呼び掛けて話し合い、美化条例の制定を提言したりしてきた。そんな中「景観上、見苦しいのではないか」と会員から声が上がったのが、背もたれにさまざまな広告が取り付けられたバス停のベンチだった。会が二〇〇二年に市内で調査したところ、その数は約二百三十台に上ることが分かった。いずれも公道を管理する県や市の許可を得ずに無断で置かれたものだった。

 市などに協力を求め、設置業者や広告主に撤去するよう働き掛けてもらったが、中には動かないケースも。一方でベンチを必要とする人もいるため、〇三年から会としてベンチの設置に向け動き出した。

 市民や企業などに呼び掛けて一口二万円の寄付を募り、木粉と廃プラスチックで作ったベンチを一台十万円で購入。設置時には協力者の名前をステッカーで取り付けた。「店舗や事業所に飛び込みでお願いしました」と高田さんが振り返る。中には「鎌倉は夫と行った思い出があるから」と市外から寄付に協力してくれた人もいたという。

 副代表の藤井雅子さん(78)も「やって良かったと思う。まちなかにきれいなベンチがあるのは気持ちいい」と話す。会はベンチ設置活動には区切りを付けたが、落書き防止などの活動は続ける。高田さんは「まちなかは、私の家の庭続きであり、みんなの財産でもある。きれいなまちを次世代に残したい」と意気込む。

 

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