東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 5月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

<かながわ未来人>地元食材でイタリア料理 オーナーシェフ・稲葉智美さん(34)

写真

 清川村に四月、地場産の野菜や豚肉を使うイタリア料理店を開いた。店名はイタリア語で「美しい村にあるレストラン」という意味の「トラットリア・ベル・パエーゼ・キヨカワ 四季〜クワトロ〜」。三年前に村に越し、自然の豊かさや人の温かさに魅力を感じた移住先で夢をかなえた。

 川崎市多摩区出身。幼い頃から好きだった料理の仕事に携わりたいと高校卒業後、東京の調理専門学校に進み、都内のイタリア料理店に勤めた。その後、イタリアに渡り、専門学校やレストランで二年半修業。「食材そのものの良さを引き立てる調理手法が特徴の現地の料理にのめり込んだ」

 イタリアでは野菜や加工品を自ら作って消費する家庭が多く、「将来、自分が自信を持って作った食材を生かしたお店が開けたら」との思いも抱いた。帰国後は千葉県八街市の農家で二年、野菜作りを学んだ。

 村と出合ったのは、畑を実践する場を探していた二〇一五年末。都内の移住促進セミナーで、村の活性化に取り組む「地域おこし協力隊」募集のチラシを見つけて応募した。審査を経て翌年六月に隊員となり、村に移住。道の駅のスタッフとして働く傍ら、野菜作りも始め、バジルやカブなどを道の駅に出荷した。

 転機は昨年五月。村の地方創生拠点施設に地場産食材を活用したレストランが入ることになり、「経験を生かすチャンス」と村の公募に応じて運営者に選ばれた。隊員は今年二月で退き、準備を進めた。

 「今はお店が開けて何よりうれしい」。店ではトマト、サニーレタス、特産の豚肉「恵水(めぐみ)ポーク」をはじめ、地元の食材を使ったサラダやパスタ、ピザなどを提供する。清川茶などを活用したジェラートもあり、「食を通じ、店名にもある村の四季を感じてほしい」と語る。運営が軌道に乗れば、自家製の食材作りにも取り組む構想を練る。

 開店直後で運営の大変さも感じる日々が続く中、「体に気を付けて頑張って」と声を掛けてくれる村民の温かさが支えになっている。「大勢に料理を味わってもらい、清川の食材の素晴らしさを伝えたい。少しでも魅力発信に貢献できたら」。それが、自分を受け入れてくれた村への恩返しと考えている。 (曽田晋太郎)

<四季〜クワトロ〜> 清川村煤ケ谷1659の1。火曜定休。看板メニューは、恵水ポークとタマネギの煮込みソースのパスタ(850円)、ソーセージと季節の野菜のピザ(1300円)、4種のジェラート(320〜430円)。問い合わせは=電046(404)8421=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報