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【神奈川】

磨いて歴史、再発見 64年五輪記念のブロンズ像 江の島

弁財天(中)などのブロンズ像を磨く学生たち=藤沢市で

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 一九六四年東京五輪のセーリング競技開催を記念して藤沢市江の島の北緑地広場に設置された「弁財天と女性群像噴水池」のブロンズ像五体の清掃が行われた。市によると、設置以来、本格的な像のメンテナンス作業は初めて。地元地区にキャンパスがある湘南工科大や東海大の学生ら約六十人が、半世紀を超えてこびりついた汚れを落とした。 (吉岡潤)

 街中に点在して見過ごされがちな「パブリックアート」を見直そうと市が進める事業の一環。江の島が再び競技会場となる来年の東京五輪に向け、歴史の再発見や機運の醸成にもつなげる狙いで企画された。広場は来年の聖火リレーのコースにもなる。

 噴水池は、松下電器産業(現パナソニック)を創業した松下幸之助の寄付を受け、晩年を藤沢市で過ごした近代彫刻家の加藤顕清(けんせい)(一八九四〜一九六六年)が制作。江の島ゆかりの弁財天が中央に置かれ、東洋と西洋、古代と現在を意味する四体の女性像が囲むように立つ。五体で五輪、東西文化の歴史的交流が表現されている。

 近現代彫刻の保存修復の専門家である高橋裕二さん(66)らの指導で、学生たちは中性洗剤を使い、ブラシで各像をゴシゴシ。湘南工科大総合デザイン学科四年の福永賢吾さん(22)は「彫刻は触ってはいけないという意識があるが、強く磨いても大丈夫と言われ、面白かった」と相好を崩した。

 高橋さんは「彫刻に触るのは貴重な経験。いろいろなことに気づく。みんなでやるのはほんとにいい」と評価。学生と屋外彫刻の保存作業を続けている東海大の篠原聡准教授(45)も「触覚による鑑賞、公共の財産を守り伝えるという二点で大きな意義がある」と語った。

 

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