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【神奈川】

水田発電に再挑戦 昨年、台風で設備倒壊 小田原で田植え開始

田植えをする参加者=小田原市で

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 耕作しながら太陽光発電を行う「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」の設備を備えた小田原市桑原の水田で、田植えが始まった。合同会社「小田原かなごてファーム」(川崎市)が県の補助金を受け昨年、発電設備を設置。水田では県内初の試みだったが、稲刈り直前に台風で設備が倒壊して収穫できなかった。再び挑戦する。 (西岡聖雄)

 休耕田を活用した水田(十二アール)の三・五メートルの高さに、二百八枚の太陽光パネルを並べた。最大出力六十キロワット弱、年百五十万円の売電収入を見込む。稲作収入だけだと八万〜十万円のため、成功すれば農家の新たな収入源になる。

 パネルは、昨年損壊した五枚を除いて再利用した。倒れにくいよう支柱の筋交いを増やし、水田の傾斜も解消。九百万円の再建費の大半を災害保険で賄い、五月末から売電している。

 今月八日に実施した田植えには、地域の課題への政策を提言する科目で学ぶ東京農工大大学院の学生、子育てサークルの親子、加藤憲一市長ら四十人が参加。一列に並び、三十センチ間隔で苗を植え付けた。

 加藤市長は「市内の耕作放棄地は百八十ヘクタール。米作だけでは成り立たない状況がある。売電は農家を支える重要な取り組みなので広まってほしい」と語り、自然エネルギーに関心を持つ早稲田大三年関下晴登さん(20)=東京都大田区=は「農作業は初めてで大変だったが、画期的な取り組みなのでまた来たい」と話した。

 秋に四百八十キロの収穫を見込み、大井町の井上酒造が買い取って日本酒を醸造する。遊休ミカン畑を再生させた関連会社のミカン果汁「おひるねみかん」を混ぜ、県内では珍しいミカン酒を来春販売する。合同会社共同代表の小山田大和さん(39)は「台風被害や改善点などの情報も発信し、水田でも営農型発電は可能で、売電で農家の収益力が増すことを証明したい」と意欲を燃やしている。

昨年9月の台風で倒壊した発電設備(小山田さん提供)

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