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【神奈川】

「大涌谷再開まで頑張る」 箱根噴火警戒レベル2 1カ月

早雲山駅から代行バスに乗り込む観光客=いずれも箱根町で

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 箱根火山の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられてから、19日で1カ月。ごく小規模な噴火をした4年前に比べ、格段に低調な活動ながら、レベルを引き下げられるほどには沈静化していない。想定火口域の観光名所、大涌谷で営業していた事業者らは、夏の観光シーズンを前に気をもんでいる。 (西岡聖雄)

 「カレーの売れ行きは十分の一に減ったが、大涌谷で再開できるまで頑張る」。大涌谷駅の直営食堂は今月からキッチンカーを使い、看板メニューの大涌谷カレーのみ提供して早雲山駅前で営業。調理する男性(27)はこう力をこめた。

 年間二百五十万人前後が利用し、大涌谷上空を通る箱根ロープウェイは早雲山−桃源台間の全線運休が続く。直営売店などを含め、大涌谷駅で働く従業員二十人は代行バスの案内業務や早雲山、桃源台の両駅に設けた代替用臨時売店の仕事に従事している。

 大涌谷の温泉池でゆでないと黒くならない名物「黒たまご」の生産もストップした。製造、販売する奥箱根観光は五月下旬、警戒区域から三キロ離れた関連施設・ロッヂ富士見苑に臨時売店を開設した。

 黒たまごはないものの、薫製品やチョコ、せんべいなど大涌谷でしか売っていない商品を陳列。大涌谷の温泉水を使う肌マスクや化粧水などは海外で人気が高く、インターネットで調べた外国人客がバスで来店するという。

 一日の来客は八十〜百人で、大涌谷での営業に比べ大幅に少ない。従業員十八人は臨時売店や駐車場の案内業務、親会社の手伝いをしている。梁瀬雅之営業部長(62)は「臨時売店を開いていることを多くの人に知ってほしい」と話す。

 一方、警戒区域の外に営業拠点を構えられない小規模事業者もいる。飲食店や土産物店を営むある経営者は、額を少し減らして十三人の従業員に五月分の給料を支払った。立ち入り禁止が一年三カ月続いた四年前は、全員解雇して失業保険や退職金、再就職でしのいでもらい、規制解除時に大半の従業員を再雇用した。

 「今回は四年前ほど火山活動が激しくないので、休業期間も一カ月くらいと見込んでいた。『食べられるだけは』と給料を払ったが、規制解除をじっと待つしかない」と声を落とした。

大涌谷限定商品が並ぶ奥箱根観光の臨時売店

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