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【神奈川】

箱根「噴火警戒レベル2」1カ月 「引き下げの状況にない」気象庁など会見

パネルで大涌谷の現状を説明する町の担当者(左)ら=箱根町で

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 箱根火山の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に上がって一カ月となった十九日、気象庁火山監視・警報センターの西脇誠所長や箱根町の担当者らが町役場で記者会見し、「火山活動は続いている。レベルを引き下げられる状況にはない」と説明した。

 突発的な水蒸気噴火に備え、同庁は二〇一七年から厳格なレベル引き下げ基準を導入しており、想定火口域の大涌谷への立ち入り規制はしばらく続く。

 レベル2に上がった五月十九日に七十四回を記録した微弱な火山性地震はこの一カ月、大半の日はゼロ〜二回で推移した。しかし、今月十日に十八回、十三日にも九回発生。引き下げ基準は三十日で九回以下(一日平均〇・三回)のため、一日に九回以上の地震があるとその後の一カ月はレベルを下げられない。

 西脇所長らによると、今回の有感地震は五月十九日に震度1を一度記録したのみ。数百回の火山性地震が続き、震度3を二度記録した一五年に比べ地殻変動の規模は格段に小さく「レベル3(入山規制)に上げる兆候はない」と補足した。

 ごく小規模な噴火をした一五年の火山活動は、噴火二カ月前から地下の圧力で、火山ガスと水で温泉を造る蒸気井が暴噴状態になった。今回は暴噴せず、噴気量や火山ガス濃度も引き上げ前後で変化はない。

 蒸気井の点検のため、大涌谷の警戒区域に連日入っている管理会社の社員は「異変を一切感じない」と明かす。箱根火山で火山ガスを定点観測する東海大の大場武教授は「蒸気井が暴噴していない状態で、水蒸気噴火が起きる可能性はほとんどない」と述べた。

 一方、町はレベル2の長期化を見据え、新たな支援策に乗り出す。金融機関に協力を求め、町からの預託金などの信用を基に、火山活動で経営が悪化した町内の中小企業に低利で融資してもらうようにする。上限三百万円で、五十事業者を見込む。 (西岡聖雄)

 

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