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【神奈川】

江戸初期完成 発展支え、憩いの場に 二ケ領用水、来春にも国登録文化財へ

花見スポットにもなっている二ケ領用水=多摩区で(いずれも市提供)

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 川崎市は二十一日、市内を流れる二ケ領(にかりょう)用水が、来年三月に国の文化財に登録される見通しを明らかにした。実現すれば、市内五件目の国登録文化財。江戸初期に完成し、農業や工業用水として市の発展を支え、今は水辺に親しめる場所として市民イベントも行われている。こうした歴史が貴重だとして、市は七月、文化庁に登録を求める意見を出す。 (大平樹)

 二ケ領用水は市北部から南部にかけて流れる。市と県が管理する全長約十八キロの用水のうち、市が管理する三区間計一二・四キロの登録を目指している。十二月の文化審議会で登録を認める答申が出ると、来年三月に登録される。市は、県が管理する残りの区間についても登録を目指して県と協議を進める。

 登録文化財は、厳格な現状保存が必要な指定文化財と異なり、積極的に活用するための改修工事も可能。案内板の設置などには国の補助金が出る。市は登録に先立ち、周辺の市民団体と意見交換しながら、地域活性化などのための活用方法を検討する。

 市によると、二ケ領用水は一六一一(慶長十六)年、徳川家康の江戸入府に伴い、多摩川下流の治水と新田開発のため、用水奉行の小泉次太夫が完成させた。当時の稲毛領と川崎領にまたがっていたことが「二ケ領」の名の由来となった。

 多摩川から取水した水は市内のほぼ全域の田畑の農業用水として使われたほか、生活用水にもなった。時代が進んで工業が発展すると、戦前から昭和四十年代ごろまで工業用水として使われた。現在では、用水沿いの桜が市内有数の花見スポットになっているほか、高津区久地の円筒分水(国登録有形文化財)周辺などでの市民イベントも定期的に開かれている。

昭和初期の多摩区の二ケ領用水

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